2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650702
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤澤 彰 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (10190026)
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Keywords | 出雲大社 / 出雲大社本殿 / 金輪造営図 / 復元 |
Research Abstract |
平成12年3月以降出雲大社境内遺跡から発見された発掘資料の分析を前提として、文献および絵画資料(おもに「金輪造営図」)の再検討を実施し、以下の点を明らかにした。 (1)本殿復元に関しての発掘遺構からのおもな知見 (1)南宇豆柱・南東側柱・心御柱が発見されたが、いずれも3本の組柱からなり、1本の直径は最大で130〜140cmあり、「金輪造営図」を裏付けるものであった。 (2)柱材は杉で、1.8mほど埋められ、平均して4.5kgぐらいの石で一カ所につきおよそ計20tの石で突きかためられていた。 (3)柱は地表であらかじめ3本束ねてから立てたのではなく、1本ずつ立てた。 (4)地表での平面規模は梁行13.4m、桁行11.6mあり、横長で、正方形ではない。 (5)一組の束ね柱のなかで、1本ずつの柱の位置は、南宇豆柱は「金輪造営図」とおなじであるが、南東側柱と心御柱は「金輪造営図」と異なる。 (2)「金輪造営図」の記載内容に関する建築学的再検討 (1)従来、6本の直線材は屋根を構成する梁・桁と考えられていたが、切妻屋根をかけることが難しく、床面を構成する土居桁と考えたほうが良い。 (2)中央棟方向の材に記されている書き入れは「玖丈」と読み、九丈の意味である。 (3)左右の棟方向の材は長さが八丈であり、(2)の材とは長さが異なり、性格の違う材と考えるべきである。 (4)中央棟方向の材((2)の材)は棟桁であり、他の5本の直線材は土居桁と考えられる。
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Research Products
(1 results)