2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650713
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷本 久典 筑波大学, 物質工学系, 助講師 (70222122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水林 博 筑波大学, 物質工学系, 教授 (40114136)
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Keywords | ナノ結晶材料 / ポーラス材料 / 表面・界面効果 / ナノフィルター / ガスデポジション法 / 金属メンブラン |
Research Abstract |
nmオーダの空隙が連続的に繋がった構造を有する金属材料の作製を目指し、数10-数100TorrのHeガス中で生成した超微粒子をより低圧に保たれた堆積室へガスジェット流により搬送、基板上へ直接堆積固化させるガスデポジション法を用いて低密度ナノ結晶材の作製を試みた。H14年度までに、低密度試料作製に適した装置を新たに試作し、今年度も引き続いて堆積速度や基板材質・温度などについて最適条件を探った所、平均結晶粒径が10-20nm、通常の金多結晶材に対する相対密度が90-93%、5x5x-0.04mm^3の金ナノ結晶メンブランを得ることに成功したSTMを用いて表面観察したところ、試料内部まで続くと思われる直径数nmの小穴が約100nm間隔で観測された。試作した薄膜試料用のガス透過率測定装置を用いて種々のガスに対して金ナノ結晶メンブランのガス透過率を測ったところ、300Kでのヘリウムガスに対する値は3.3xlO^<-11>mol m^<-1> pa^<-1> s^<-1>と天然ゴムよりも3桁ほど大きく、拡散機構によるPd金属薄膜の水素ガス透過率に比べても約1桁大きい。窒素やアルゴン、二酸化炭素などの他のガスに対する測定から、金ナノ結晶膜のガス透過率が分子量の平方根に逆比例することが判明し、この依存性はガスが直径2nm、面積密度10%で存在する小穴を分子流として透過していることを示唆する。現在、空隙状態及びガス透過率を制御した金ナノ結晶メンブランの作製を目指して、種々の条件下での試料作製を継続している。一方、この金ナノ結晶メンブランでは1200Kで30分真空焼鈍後も平均結晶粒径は約40nmに留まっており、ナノポーラス構造によりナノ構造組織の熱的不安定を改善できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tanimoto: "Characteristic Mechanical Properties of High-Density Nanocrystalline Gold"Proceedings of Int.Conf.on Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003(ATEM'03). (OS06W0396). (2003)
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[Publications] H.Tanimoto: "Characterization and Mechanical Properties of High-Density Nanocrystalline Copper"Proceedings of Int.Conf.on Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003(ATEM'03). (OS06W0399). (2003)