2001 Fiscal Year Annual Research Report
MCDとMCPを援用したNi-Gd系単結晶・非晶質の磁気モーメントと交換相互作用
Project/Area Number |
13650723
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
矢野 一雄 日本大学, 理工学部, 講師 (20256803)
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Keywords | 遷移金属希土類金属間化合物 / 単結晶 / 磁気モーメント / 交換相互作用 / 磁気コンプトンプロファイル / 磁気円二色性 / 逆帯磁率 |
Research Abstract |
今年度の研究目標及び実施計画の大筋は、 1、単相であることが保証できるNi-Gd系単結晶試料を2組成作製すること、 2、これらの2組成試料にいて、放射光を用いたミクロ・スコーピックな視点(磁気コンプトン散乱(MCP)と磁気円二色性(MCD))からNiの磁気モーメンの有無についての知見を得ること、 3、2、と平行して、磁化測定を用いたマクロ・スコーピックな視点からも、Niの磁気モーメントの有無、及びNi-Gd間の交換相互作用についての情報を入手すること、 である。これらの計画に対する進捗状況、得られた知見等は、以下の通りである: 1、(1)高周波溶解炉を用いた引上げ法を用いて、Ni2Gdラーベス相およびNiGdの2組成について試料作製を試み、NiGdについては単結晶を作製することができ、ラーベス相については粒径がかなり大きい、金属光沢を持った試料を作製することができた。 2、(1)Ni2GdのMCP測定は、高エネルギー研究所(KEK)の課題申請で採択され、10,70,75Kの3種類の温度で統計精度の高いデータを得ることができた。10KでのプロファイルからNiの磁気モーメントを実験的に検証できそうであるが、現在、慎重に解析中(3月の物理学会で発表)。 (2)2組成の試料のMCD測定は、SPring-8で課題申請し採択され、3/14〜17に実験。 3、磁化測定については、形状異方性の影響が大きく、磁場依存性が極めて顕著である。とりあえず、逆帯磁率の温度依存性を、Niの磁気モーメントとNi-Gd等の交換相互作用を仮定し、シミュレーション実施(春の物理学会で発表)。
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