2001 Fiscal Year Annual Research Report
高配向性カーボンナノチューブ膜の作製と高効率エミッターへの応用・実用化
Project/Area Number |
13650737
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
松本 晃一 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (10022138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 健司 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (30182091)
山口 十六夫 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40010938)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 炭化ケイ素 / SiC / 表面 / エリプソメトリ / 電界放出 / 気体吸蔵 |
Research Abstract |
SiC基板の表面分解法によるカーボンナノチューブ膜の生成初期過程を調べるために,SiC単結晶基板(Cree社製,6H型,on-axis,C面研磨)の真空中加熱実験を,スポット集光型赤外線ゴールドイメージ炉(ULVAC真空理工製)とターボ分子ポンプとを用いておこない,表面の構造変化を分光エリプソメトリ測定によって調査した. その結果,真空度3×10^<-4>Pa,1200℃で10分間加熱した基板の表面で,エリプソメトリスペクトルにかなり大きな変化が見られた.これは,SiCの表面分解がこの温度ですでに開始しているためであると考えられる.従来の高分解能TEMによる表面観察では,SiCの分解とカーボンナノチューブの生成とが観察されるのは1300〜1500℃以上の温度であるので,分光エリプソメトリによる光学的測定では,それよりも低い温度での分解開始のさいのわずかな変化をも捉えうることがわかった. 今後は,さらに低温でのSiC表面分解とカーボンナノチューブ生成の初期過程をくわしく調べてその機構を調査し,成長が進んだ基板試料については高分解能TEM観察・走査プローブ顕微鏡・X線回折測定をおこなって,成長過程の調査・ナノチューブ膜の評価をおこなっていく.そして成長を制御して作製したナノチューブ膜について,電界電子放出特性を調査して高効率エミッターへの応用を検討し,また各種気体の吸蔵特性を調査して気体吸蔵材としての基本性能をも検討していく.
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