2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト系化合物のナノスペースを利用した半導体クラスターの合成と光応答機能
Project/Area Number |
13650739
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三宅 通博 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30143960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 元秀 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (80222305)
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Keywords | ゼオライト / カンクリナイト / ナノスペース / 包蔵 / 半導体クラスター / 光触媒 / 硫化鉛 / ガロリン酸塩モレキュラーシーブ |
Research Abstract |
本研究は、ゼオライト系化合物のナノスペースを利用して半導体クラスターを合成し、包蔵されたクラスターが示す量子サイズ効果による光応答機能を評価し、さらに機能発現機構を検討することを目的としている。 本年度は、ゼオライト系化合物であるカンクリナイトの格子空間を利用した硫化鉛半導体クラスターの合成および生成物の評価、ならびにより大きな格子空間を有するゼオライト系化合物の合成条件の検討を行った。 前者の研究では、水熱法で合成した硫化物含有カンクリナイトの格子空間にイオン交換法により鉛イオンを導入し、得られた試料をX線回折法、紫外可視スペクトル法により評価した。その結果、鉛イオンと硫化物イオンとが同一空間内に存在すること、および両者間の電子遷移に基づく吸収ピークが330nm付近に新たに出現することを見いだし、量子サイズ効果により吸収端がバルク状のものより大きくブルーシフトした硫化鉛クラスターがカンクリナイトの格子空間で合成できたことが分かった。次に、硫化鉛クラスターの光応答機能をブラックライト照射下でのメチレンブルーの脱色実験により評価した。その結果、メチレンブルーを脱色し、実験後も紫外可視スペクトルに変化が無いことより、本研究で合成した硫化鉛クラスターは、安定な光触媒機能を有することが判明した。 後者の研究では、カンクリナイトより大きな格子空間を有するガロリン酸塩モレキュラーシーブ(クローバライト)の合成に及ぼす遷移金属の影響を検討した。その結果、少量のマンガンおよび亜鉛を出発原料に加えることにより、高結晶性の生成物が得られることを見いだした。
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Research Products
(1 results)