2001 Fiscal Year Annual Research Report
有機物複合化によるゾル-ゲル過程の制御と機能性薄膜の作製
Project/Area Number |
13650743
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
峠 登 近畿大学, 理工学部, 教授 (00081315)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 直樹 近畿大学, 理工学部, 講師 (70208388)
|
Keywords | ゾル-ゲル法 / 無機・有機ハイブリッド / スクリーン印刷 / 光重合 / チタニア / 強誘電体 / 光触媒 / 微細構造 |
Research Abstract |
金属アルコキシドを出発原料とするゾル-ゲル法において、金属アルコキシドの化学修飾やゾルへの有機物の添加はゾル-ゲル過程およびゲル膜の微細構造制御に対して有効な方法である。本研究は、有機物添加によるゾル-ゲル過程の制御の方法論を確立すること、ならびにそれを新規な機能性薄膜の合成に展開することを目的に実施したものであり、以下のような成果を得た。 1)PZTゾルにアビエンチン酸およびその誘導体を添加し、ゲル化に及ぼす影響を検討した結果、アビエチン酸といくつかの誘導体がゲル化を抑制する効果を有することを見出した。さらに、アビエチン酸で粘度を調整したゲルをペーストとしてスクリーン印刷法でPZT強誘電体膜を形成するための条件を明らかにした。 2)TiO_2ゲル膜の作製において、ポリエチエエングリコールおよび溶解性の異なるエタノールとメタノールの二種類の溶媒を用いることにより、溶液組成によって生成するゲル膜の表面形状および粗さが異なることを明らかにした。これらのTiO_2膜のアセトアルデヒドに対する光触媒活性を評価した結果、表面粗さの増大とともに触媒活性が高くなることを見出した。 3)化学修飾剤および溶媒の組み合わせを変化させてTiO_2膜を作製し、色素増感光電変換素子の電極として評価した結果、その特性がこれらの組み合わせで大きく変化することが明らかとなり、その理由をTiO_2膜の微細構造との関係で考察した。 4)β-ジケトンで化学修飾されたZr-アルコキシドと、光重合性メタクリロイル基を有するSi-アルコキシドを共重合させることにより、光感応性を有する無機・有機ハイブリッドゲル膜を作製できることを明らかにした。これらのゲル膜は、キレート環の分解と同時に起こるメタクリロイル基の光重合により、高い光感応性を示した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T.Kawahara, Y.Konishi, H.Tada, N.Tohge, S.Ito: "A Patterned TiO_2/SnO_2 Bilayer Type Photocatalyst 2. Efficient Photocatalytic Dehydrogenation of Methanol"Langmuir. Vol.17N.23. 7442-7445 (2001)
-
[Publications] T.Kawahara, Y.Konishi, H.Tada, N.Tohge J.Nishii et al.: "A Patterned-TiO_2(Anatase)/TiO_2(Rutile) Bilayer Type Photocatalyst : Effect of Anatase-Rutile Junction on the Photocatalytic Activity"Angew. Chem. Int. Ed.. (投稿中).