2001 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合能を有する低分子によるカーボンブラック充てん高分子複合材料の導電性制御
Project/Area Number |
13650746
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
呉 馳飛 東京農工大学, 工学部, 助手 (10313694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 晃平 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (70260560)
大谷 吉生 金沢大学, 工学部, 教授 (10152175)
秋山 三郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (80015049)
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Keywords | ヒンダードフェノール / 塩素化ポリエチレン / カーボンブラック / 水素結合 / 導電性 / 界面 / 有機ハイブリッド / 分散性 |
Research Abstract |
今年度では、必要な実験装置としてミキシングロールとホットブレス機を購入し、マトリックスポリマーとして塩素化ポリエチレン(CPE)、低分子としてヒンダードフェノール(AO-80)、導電性フィラーとしてカーボンブラック(CB)を用いて、サンプルを作製し、試料の動的粘弾性や電気伝導性等物性の測定及び電子顕微鏡等のキャラクタリゼーションを行った。 CPE/CB二元複合系では、CBの充てんによりCPEのゴム領域の弾性率は顕著に向上するが、その効果は酸化処理したCBのほうが未処理のCBより大きい。これは酸化処理したCBはCPEマトリックスでネットワークを形成しやすいためである。一方、CPE/AO-80/CB三元複合系では、CBの充てんによるCPEのゴム領域の弾性率の向上は、酸化処理したCBのほうが未処理のCBより小さい。これは、AO-80分子は酸化処理したCBの表面に偏在し、ネットワーク形成しにくいためである。即ち、このような三元系では低分子AO-80で覆ったCB複合粒子が形成されていると推定できる。このことはこれらの試料の電気伝導度の測定により確認された。 今後の研究の展開として低分子で覆うCBの界面を定量的に評価する方法を確立し、我々により提案した粒子分散系導電性高分子複合材料における電気伝導度の計算モデルにより得られたCB/AO-80の界面厚みと複合系の電気伝導度の関係に基づいて、種々の水素結合能を有する機能性低分子を設計し、合成する。また、実用材料として必要なその他の物性を評価する。さらに、これらの知見に従って、更なる展開を図り、新たな研究課題を提起する。
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Research Products
(1 results)