2001 Fiscal Year Annual Research Report
繊維強化複合材料の成形過程におけるウェルドライン上での繊維配向の可視化と数値解析
Project/Area Number |
13650747
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
保田 和則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80239756)
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Keywords | 繊維濃厚分散流体 / ウェルドライン / 繊維配向 / 濃度分布 / 円柱障害 |
Research Abstract |
本研究では繊維の複屈折を利用した可視化法を利用し、流動中の繊維濃厚分散流体中のトレーサー繊維を可視化した。また繊維の配向状態を、ウェルドライン付近を中心にして流路全域にわたってかつ定量的に評価し、障害物のある流路内における繊維の配向状態を明らかにした。 その結果、濃厚系では、希薄系とは異なり、円柱と壁面とで挟まれた領域の下流部分で繊維が回転するため配向度が低下し、その影響は下流域にまで及んでいることが明らかになった。しかし、円柱下流部のウェルドライン付近では、伸長流のため繊維は流れ方向に強く配向し、それによって他の領域よりも大きな配向度を示し、流路の幅方向にわたって配向度の大きな分布が生じた。流路幅方向の濃度分布は、希薄系では壁面近傍を除いてほぼ均一であった。それに対し濃厚系では、中心線付近で最も大きく、壁面に近づくにつれて単調に減少する分布となった。 成形品中の繊維の濃度分布を測定することは困難であるため、定量的に濃度分布を測定した例はほとんどない。数値計算では繊維の体積分率にかかわらず、繊維の濃度分布はいたるところで均一であると仮定されている。しかし本研究で明らかになったように、実際には濃度分布でこのような仮定は成り立たず、また希薄系と濃厚系とでは濃度分布は互いに異なった。したがって、繊維分散流体のより精確な流動解析を行うためにはいずれの系においても濃度分布を考慮した数値計算が必要である。本研究で行った繊維の配向状態と濃度分布の定量的な評価は成形品の力学的な強度との関連を評価するために有意義であると考えられる。
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Research Products
(1 results)