2001 Fiscal Year Annual Research Report
超耐熱合金中硫化物サブスケールの成長形態と生成機構の解明
Project/Area Number |
13650756
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
草開 清志 富山大学, 地域共同研究センター, 助教授 (50125530)
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Keywords | 超耐熱合金 / ニッケル基合金 / 有機溶媒系 / 高温腐食 / 高温酸化 / 硫化 / スケール / 反応動力学 |
Research Abstract |
Ni基超耐熱合金が多用されるガスタービンエンジンでは運転温度が高いことから、1000K以上でNaClやNa_2SO_4系の溶融塩腐食を起こしたり、燃料中に含まれる硫黄が粒界腐食を起こして、応力負荷環境下で高温酸化(応力加速粒界選択酸化)と複合して反応が促進され(同硫化)、超耐熱合金の使用の大きな障害となっている。これまでNi基超耐熱合金Waspaloy(Ni-19.5%Cr-13.5%Co-4.3%Mo-3.0%Ti-1.3%Al)の基本合金であるNi-20%Cr合金を試料とし、Na_2SO_4の溶融塩腐食法で生成した硫化物スケールを観察、分析、解析して生成挙動を調査するとともに生成したサブスケールの立体構造を現出させる有機溶媒系溶解法を検討した。得られた結果は次の通りである。Na_2SO_4雰囲気中、1173〜1373Kで硫化したNi-20%Cr合金は表面に外部スケール、合金内側にサブスケールを形成した。前者は試料の冷却時に容易に剥落する傾向があり、後者は合金の粒界に沿って表面から内部方向に深く浸入した。X線回折、EPMAによると、外部スケールはCr_2O_3、サブスケールはCr_2O_3、Cr_2S_3、Cr_5S_6から構成されていた。生成するサブスケールには拡散律速を示唆する放物線則が成立し、成長の見掛けの活性化エネルギーとして237kJ/molを得た。サブスケールの立体構造を現出するため、種々の試薬候補の中から本合金の硫化物スケールに適用可能な有機溶媒系溶解液(ハロゲン+ハロゲン化物+有機溶媒)を探索し、有望な試薬の組み合わせを明らかにした。現在までこの溶解液で硫化後の試粋合金部分を完全溶解する技術を確立しつつある。今後、硫化物の立体構造をSEM、EPMAで観察・分析する予定であり、Waspaloy合金についても同様な解析と溶解手法を確立して行く予定である。
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