2001 Fiscal Year Annual Research Report
Ni基超合金の弾性率ミスフィット制御によるラフト化の促進
Project/Area Number |
13650758
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 克志 京都大学, 工学研究科, 助手 (30236575)
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Keywords | Ni基超合金 / ラフト / 添加元素 / 弾性異方性 / 格子定数 |
Research Abstract |
Ni基Ll_2規則合金の単結晶弾性率を測定し,ラフト組織形成の重要な因子の一つである弾性率のミスマッチを評価した.ここで重要な弾性率は<100>方向のヤング率であるが,融点がほぼ等しい材料の場合,弾性異方性の小さな材料ほど大きな<100>方向のヤング率となりラフト化の駆動力である弾性率ミスマッチを大きくすることができる. Ni_3Alの異方性因子はほぼ3であり,これはNi_3GaやNi_3Mn, Ni_3(Si, Ti),Ni_3(Al, Ti)においてもほとんど変化しなかった.一方,Ni_3Geにおいては1.7と約半分の値となった.その結果Ni_3Geにおいては<100>方向のヤング率の値はNi_3Alと比較して約1.5倍となり,大きな弾性率ミスフィットが見込めることが明らかとなった. ラフト化の駆動力は弾性率ミスフィットのみならず格子定数のミスフィットが重要である.Ni_3Geの格子定数はNi_3Alのそれに比べてやや小さく,Ni_3Geをベースとした場合に,より格子定数のミスフィットも大きくできることが期待される.以上の事からラフト化への駆動の増大を考慮した場合,Geの添加が弾性率,格子定数双方の観点から好ましいと考えられる.一方,高温強度では融点の変化も重要となるために単純にGe添加の効果を議論することは難しいが,本年度の研究により最も効果的である可能性を持つ元素がGeであることが明らかとなったことから,次年度は実用材へのGe添加効果について研究を行うこととする.
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