2001 Fiscal Year Annual Research Report
スパッタ法で作成したチタン酸化物薄膜によるステンレス鋼の高機能化の研究
Project/Area Number |
13650762
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 正孝 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40165725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 誠 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30284540)
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Keywords | TiO_2 / 超親水性 / ステンレス鋼 / 光誘起機能 |
Research Abstract |
スパッタ法を用いて、ステンレス表面に光誘起機能を有するTiO_2薄膜を形成し、超親水性を付加することを主眼に研究を行った。RFマグネトロンスパッタ装置、およびヘリコンスパッタ装置を用いて、ステンレス鋼にTiO_2の薄膜を作成した。 沸騰水環境においては、現在主流であるディップ法で作成したTiO_2膜では密着性に問題があり利用できないが、本手法で作製した薄膜に耐性があるかを評価した。これには、本グループで考案した、超微小硬度法で密着性を評価し、沸騰水環境での耐性との関連を求めた。スパッタ法での成膜がディップ法で作成したものより非常に優れた耐性を持つことを示した。 自作の接触角測定装置により作成条件と接触角度の関係、時間変化を測定した。さらに、光学特性測定及びXRD測定を平行することにより超親水性の原因を構造面から検討した。ステンレス鋼表面に作製したTiO_2薄膜に優れた光親水性を発現させる条件を見出した。 線などの放射線によるルミネッセンス特性を評価するため、電子線によるカソードルミネッセンスの発光プロファイルを測定した。紫外線照射により発現した超親水性は、時間とともに劣化することも知られているが、3eV以上のバンドギャップを有し発光効率が高いZnS, ZnOなどの半導体物質添加し紫外線発光効率を評価した。この結果、初期接触角度は非常に向上するが、暗所保持特性は逆に劣化することが見出され、今後の課題となった。 本研究で作成したTiO_2膜は、下地との密着性及び耐食性の向上ために多層構造を形成している。耐食性の評価にはCPCD法などの電気化学的手法を用いた。さらに、紫外線照射したときの光電気化学特性も評価し、本研究の主眼のひとつでもあるTiO_2の光電気化学的酸化作用による不働態維持効果を評価した。
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Research Products
(1 results)