2001 Fiscal Year Annual Research Report
Ni基超合金単結晶タービン翼における2次結晶方位の最適化
Project/Area Number |
13650763
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
筧 幸次 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (70185726)
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Keywords | Ni基超合金 / 単結晶 / ガスタービン翼 / 2次結晶方位 / 最適化 |
Research Abstract |
ガスタービン翼用Ni基超合金単結晶の[001]方位は,クリープ特性に優れ,ヤング率が小さいことから低サイクル疲労強度あるいは熱疲労強度にも優れている.このため,動翼の長手方向の主方位は[001]方位から10°以内に制御されている.それに対し,主方位に垂直な2次方位については,現時点では全く制御されていない.そこで,本研究では,単結晶動翼として最もバランスのとれた機械的特性が得られる2次結晶方位を明らかにすることを主たる目的とする.2次結晶方位の主要な影響因子として,試験片内部の応力状態および{111}<112>すべりの活動が考えられる.2次結晶方位を最適化するにあたり,まずこれらの影響因子について明らかにする必要がある.そこで,特異な{111}<112>すべりが,4種類の単結晶Ni基超合金のクリープに及ぼす影響についてケンブリッジ大学と共同研究を行った.その結果,{111}<112>すべりには合金元素であるReおよびCoが大きく影響することを明らかにした.また,5種類の結晶方位を有する試験片について,平面ひずみ状態から平面応力状態に段階的変化させ,すなわち板厚寸法が3.2mmから0.25mmまでの範囲の試験片を作製してクリープ試験および引張試験を行った.その結果,試験片の厚さが減少すると{111}<112>すべりが抑制されクリープ強度が増すことが明らかになった.その程度は,結晶方位により大きく異なり,今後,主方位と2次方位の影響の面から検討し,こうした結果を総合し結晶方位の最適化を試みる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 筧 幸次 外2名: "Gross Primary Creep Strain in Advanced Ni-Based Single Crystal Superalloys"日本金属学会130回春期大会講演概要. (印刷中). (2002)
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[Publications] 筧 幸次 外4名: "マイクロインデンターによるNi基超合金単結晶のヤング率の測定"日本金属学会129回秋期大会講演概要. 322 (2001)
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[Publications] K.Kakehi 外2名: "Stress Threshold for Primary Creep in Advanced Ni-based Superalloys of Varing Re Content"Proceedings of 7th Liege Conference "Materials for Advance of Power Engineering". (印刷中). (2002)