2001 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩を媒体としたAlの電析によるTiAl金属間化合物の耐酸化性能の改善
Project/Area Number |
13650773
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
原 基 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (50156494)
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Keywords | チタンアルミナイド / 溶融塩 / 電析 / 表面改質 |
Research Abstract |
TiAl金属間化合物は高温での比強度に優れることから,新しい軽量耐熱材料として注目されている。しかし,高温での耐酸化性の悪さがこの材料の実用化を妨げている。TiAl表面にAl濃度の高い層を形成させることは,保護性の高い酸化皮膜となるAl_2O_3の形成を促すため,耐高温酸化性の発現が期待される。本研究の目的は,溶融塩を媒体としたAlの電析によりTiAl表面部にAl濃度の高い層を作製し,これによりTiAlの耐酸化性能を改善することである。平成13年度においては,溶融塩を媒体としたAlの電析によりTiAl表面部にAl濃度の高い層の作製を試みた。得られた結果をまとめると以下のとおりである。 1.AlF_3を含む等モル組成のNaCl-KCl溶融塩中,TiAl基板試料をカソード分極すると-1.2V(vs.Ag/AgCl(0.1))以下の電位域でカソード電流の上昇が観察された。このことより,この電位以下ではAl_<3+>イオンのカソード還元反応が起こることがわかった。 2.-1.2V以下の電位域において各電位に3.6ks定電位分極した結果,電析層の形成が認められた。分極電位の低下は電析層の厚さの増加を導いた。 3.-1.2V以下の各電位において形成された電析層はTiAl試料全体を均一に覆い,この層と下地TiAlとの密着性も良好であった。 4.-1.2V以下の各電位において形成された電析層はTiAl_3により構成され,分極電位が低下して電析層が厚くなっても構成相に変化はなかった。
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