2001 Fiscal Year Annual Research Report
超音波計測技術に基づく半導体デバイスの残留応力・接合信頼性評価システムの構築
Project/Area Number |
13650783
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
日下 正広 姫路工業大学, 工学部, 講師 (40244686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 健二 姫路工業大学, 工学部, 教授 (70047603)
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Keywords | 超音波顕微鏡 / 応力測定 / 樹脂材料 / 表面粗さ / 漏洩クリーピング波速度 / 応力緩和 / 音弾性係数 / 表面性状 |
Research Abstract |
本研究では,超音波顕微鏡により測定される漏洩クリーピング波(LSSCW)速度を用いて残留応力評価をする方法を確立することを目的とし,まず残留応力評価に必要な測定精度を得るためのLSSCW速度測定方法について検討した.次に,表面性状がLSSCW速度に及ぼす影響について検討を行った.また,LSSCW速度の応力依存性について検討を行った.それらの結果をもとにLSSCW速度で残留応力を評価する方法の提案を行った.本年度,得られた結果は以下の通りである. (1)超音波顕微鏡の改造と,V(z)曲線に対する信号処理方法の改善により,残留応力評価を行うのに十分なLSSCWの速度測定精度を得ることができた. (2)LSSCWが伝播する範囲での表面粗さRと断面形状Sの定義を行い,R, SがLSSCW速度に及ぽす影響について検討した.その結果,LSSCW速度はSに依存せず,Rに依存することがわかった.そして算術平均粗さRaから,表面性状の影響を補正したLSSCW速度を求める方法を示した. (3)樹脂材料の応力緩和及びクリープ現象の検討を行った結果,一定時間経過後の応力はほぼ一定となることが明らかとなった.また,負荷時と除荷時で応力とひずみの関係が異なることが明らかとなった.この結果から樹脂材料のLSSCW速度と応力の関係を求める方法を示した. (4)引張,圧縮荷重下でLSSCW速度測定を行い,LSSCW速度の引張および圧縮応力に対する依存性について検討を行った.その結果,アクリルの音弾性定数を求めることができた.また,応力分布をもつ試験片のLSSCW速度測定を行い、弾性表面波速度で残留応力を評価できる可能性を示した. (5)以上の結果をもとに,超音波顕微鏡で測定されるLSSCW速度による残留応力評価法を提案した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.KUSAKA, K.SEO, M.KIMURA, S.AKAMATSU: "Stress Evaluation of Resin Material by Acoustic Microscope"Proc. of APCFS & ATEM'01. Vol.1. 183-188 (2001)
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[Publications] 日下正宏, 瀬尾健二, 木村真晃, 大坪健二: "超音波顕微鏡による電子デバイスの応力評価のための基礎的研究"Proc. of 8th Symposium on Microjoining and Assembly Technology in Electronics. Vol.8. 515-520 (2002)