2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子機器用極細線の機械的性質の向上と高真直化の研究
Project/Area Number |
13650785
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浅川 基男 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40288030)
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Keywords | りん青銅極細線 / ローラレベラ矯正 / 温間矯正 |
Research Abstract |
近年,精密機器,電子機器等の様々な分野で極細線が注目されている.線引きなどで塑性加工を経た極細線はその過程で線ぐせが生じたり,コイル状に巻かれた線材は使用のため巻き戻すと巻きぐせが生じ曲がる.よって矯正し,真直な線材を得る必要がある. 極細線矯正方法としてブレード式矯正,温間矯正が報告されているが,ブレード式矯正では材料との接触による矯正疵が付与され品質の劣化が起る.また,温間矯正は熱による軟化が起り矯正温度が高くなるほど強度が低下するという問題が起る.本研究により,素線の真直度の良いものを矯正することでより高真直な線材を得ることができた.そこで,ローラレベラを用いることにより素線の状態を良くしたものを温間矯正し,低温度で矯正できるようにし,高真直で高強度な線材を得ることが本研究の目的であった. 本研究ではローラレベラのパラメータが多くあるため品質工学を用いることにより効率よく実験を行った.ローラレベラはロール径3mm,ピッチ4mm,押し込み量変動,ロール数14でV-H型のを用いた.また,温間矯正では昨年と同様の装置を使い昨年とは実験条件を変えて矯正を行った.その結果としてローラレベラ矯正での最適矯正条件と温間矯正の最適矯正条件を組み合わせることにより目標真直度0.05mm/15mmをりん青銅の再結晶温度以下の温度で達成することができ,高真直,高強度の線材を得ることができた.また,表面性状も素線と変わ与ずに良好なものとなった.本研究によりりん青銅極細線のより高品質化が実現されたものと考えられる.
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