2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650796
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安斎 浩一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40232087)
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Keywords | 粒子法 / 湯流れ解析 / 凝固解析 / 3次元CAD / 鏡像境界法 |
Research Abstract |
粒子法を鋳造問題に応用する際に考慮しなければならない問題として,複雑形状の扱いがある.現在,実用化されている連続体モデルによる湯流れ・凝固解析では,3次元CADモデルを基にSTL形式(三角平面の集合で表面形状を表現)で形状データを受け取り,解析に必要な要素データを作成している.本研究では粒子法の特長を生かし,3次元CADによるSTLデータをそのまま粒子法用の境界形状データとすることにした.また,従来の粒子法研究では,境界面の表現として境界面に沿って固定粒子を数層配列する方法が主流であるが複雑形状では固定粒子の数が膨大なものとなるため,本研究では各STLの三角パッチに対して鏡像位置に仮想粒子を発生させることで境界面を表現する「鏡像境界法」を開発した.この方法では,境界面との相互作用を算出する際のみ仮想粒子を配置すればよく,大規模解析に適用可能である.以上のアイデアの有効性を実証するために,まず粒子法に基づく2次元湯流れ解析プログラムを試作した.低圧鋳造によるアルミニュームホイールの湯流れ問題に適用したところ,解析に要した時間は事務用PCにて数十分であり実用性に優れていることを確認した.また,粒子法は原理的に凝固時の伝熱現象や凝固収縮に伴う引け巣の発生を模擬することも可能と判断された.そこで,粒子法に基づく2次元凝固解析プログラムを試作した.連続体モデルによる差分法の解析結果との比較により,粒子法で用いられる未定定数を適切に設定することで凝固問題に対しても精度良い解析が可能であることがわかった.
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