2002 Fiscal Year Annual Research Report
竪型流動法による溶融スラグおよび焼却灰中の重金属成分の蒸気圧測定
Project/Area Number |
13650798
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日野 光久 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (40005335)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 乙未生 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80006048)
|
Keywords | スラグ / 焼却灰 / 溶融飛灰 / 重金属 / 蒸気圧 / 揮発挙動 / 竪型流動法 / 活量係数 |
Research Abstract |
スラグや焼却灰中の鉛、ヒ素、アンチモンなどの揮発による除去プロセス開発の基本として、これらの成分の蒸気圧、活量係数データが重要である。そこで本研究では、開発された竪型の流動法装置を用いて、PbO-FeO_<1.5>-CaO-SiO_2 4元系、PbO-ZnO-FeO_<1.5>-CaO-SiO_2 5元系スラグ中の酸化鉛およびCaO-SiO_2-FeO_<1.5>系スラグ中のSbO_<1.5>,SbO_<2.5>,AsO_<2.5>の蒸気圧を1150-1300℃の温度域で測定した。また得られた蒸気圧データから、スラグ中のこれらの成分の活量係数、γを導出した。 この結果、γ_<PbO>が、スラグ中のPbOのモル分率が0.2以上の測定領域においてラウール則から負の偏倚を呈し、0.5の組成近辺で最小値を示すこと、また、γ_<PbO>はスラグの塩基度が増加すると増大すること、などが分かった。一方、γ_<SbO1.5>,γ_<SbO2.5>,γ_<AsO2.5>はスラグの塩基度が増加すると減少した。さらに、ZnOを含有する5元系スラグのγ_<PbO>が、ZnOを含有しない4元系のスラグの値よりもかなり小さくなることが分かった。スラグ中の酸化鉛の揮発ガス種としてPbOが優勢であるが、スラグ中の鉛濃度が高くなるとPb_2O_2,Pb_3O_3などの多量体ガス種の存在割合が増大すること、一方、スラグ中のヒ素およびアンチモンは、それぞれ、A_<S4>O_6,Sb_4O_6の形で揮発することが明らかとなった。 本研究により、溶融スラグおよび溶融焼却灰中の重金属成分の蒸気圧および揮発特性を定量的に評価することが可能になった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Dexter G.Mendoza: "Phase Relations and Activity of Antimony in Cu-Fe-S-Sb System at 1473K"Materials Transactions. 43巻・5号. 1166-1172 (2002)
-
[Publications] Dexter G.Mendoza: "Distribution Equilibria between Cu-Fe-As Ternary Speiss and Slag Phases"J. Min. Mater. Process. Inst. Japan. 118巻・3,4号. 197-201 (2002)
-
[Publications] Christopher M.Nyamai: "Phase relations in the Cu_2S-FeS-ZnS and Cu_2S-PbS-ZnS Ternary Systems at 1473K"Can. Min. Metall. Bulletin. 95巻・3号. 129-132 (2002)