2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650821
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
二階堂 満 一関工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (30218094)
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Keywords | メカノケミカル効果 / 乾式粉砕 / 土壌固化 / エトリンガイト |
Research Abstract |
初年度の実験結果より、エトリンガイト生成系にて圧縮強度の向上が望めたが、アルカリ溶出が大きいということがわかる。農業用や植生用で再利用する場合、低アルカリ性である必要がある。そこで、今年度は低アルカリ型固化体の作製を目指し、各種添加試薬の検討を行う。つまり、主原料として産業副産物の土壌を用い、それにセッコウ、生石灰を加え、これに各種試薬(硫酸塩、炭酸塩)の添加を試み、その後、遊星型ボールミルで乾式混合粉砕を行い、成形・加水養生して固化体を作製する。さらに、今年度は鉛の固定化実験における粉砕処理の影響も検討する。その結果、以下のような結論を得る。 1.エトリンガイトを生成すると圧縮強度は大きく上昇。ただし、アルカリ溶出は大きくなる。つまり、エトリンガイトを生成させるためには、アルカリ性に保つ必要がある。 2.低アルカリ溶出性にするために、遊離のCaOと反応させる必要があり、硫酸塩(硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄)や炭酸塩(炭酸マグネシウム)の添加を検討する。その結果、低アルカリ性となったのは、硫酸アルミニウムと硫酸アンモニウムを添加した場合であり、さらに、ある程度の強度が得られるのは硫酸アンモニウムを用いる場合である。 3.重金属である鉛(今回は塩化鉛の試薬を微量添加する)の溶出に関しては、原料粉砕産物の状態でも固化体の状態でも、粉砕処理することで鉛溶出量がおさえられる。 以上より、硫酸アルミニウムを添加試薬として用い、遊星型ボールミルによる粉砕処理(メカノケミカル処理)を利用することで、低アルカリ溶出型固化体を作製でき、鉛溶出量もおさえられることがわかる。
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