2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト触媒膜型反応器を用いた逐次反応の中間体選択生成
Project/Area Number |
13650829
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20165715)
|
Keywords | ゼオライト膜 / 触媒膜 / 細孔径制御 / 酸点分布制御 / 反応・分離 / MTO反応 / メタノール / オレフィン |
Research Abstract |
ゼオライトは0.数〜数μmの大きさのアルミノケイ酸塩の結晶であり、その種類によって、種々の低級炭化水素、無機ガスの分子径とほぼ等しい径の細孔を持つため、細孔径より大きい分子は細孔内に入れない(分子篩効果)。特にMFI型ゼオライトは固体酸性を有するため種々の炭化水素の反応に高い触媒活性を示す。そのため,ゼオライトを膜状に合成することで分子篩能を有する触媒膜を開発することができる。研究実施者は緻密なMFI型ゼオライト膜をセラミックスフィルター表面に合成することに成功している。研究では、MFI型ゼオライト膜を膜型反応器に適用して逐次反応の中間体選択生成を行うことを目的として実施し、平成13年度は次の成果を得た。 (1)ゼオライト触媒の酸点分布と有効径の制御:ゼオライト触媒膜を逐次反応に適用する場合、反応は膜内に限定する必要がある。しかし、反応物質供給側に面した酸点上でも反応が進行し、透過側の中間体の選択率が低下する。そのため、供給側の酸点を選択的に不活性化する必要がある。そこで、シラン化合物を酸点上に化学吸着して分解後、空気焼成して酸点上にSiO_2ユニットを形成することで酸点を不活性化するシラン接触分解法を開発した。本法に、最小分子径の異なるジエトキシメチルシラン(DES)、フェニルシラン(MPS)、ジフェニルシラン(DPS)、トリフェニルシラン(TPS)を適用した。ゼオライト細孔径とほぼ同じ分子径のDESとMPSは結晶外表面と細孔内の酸点を不活性化するが、DPSとTPSは細孔外表面の酸点を選択的に不活性化することを見いだした。 (2)逐次反応の中間体選択的生成反応:メタノールの反応はメタノール→エーテル→オレフィン→芳香族+パラフィンの逐次反応である。そこで、ゼオライト膜を用いてメタノールからのオレフィン生成反応を実施した。その結果、50〜98%の反応率でオレフィンを80%以上の選択率で得ることに成功した。さらに、DPSで処理した膜は未処理の膜よりも高い選択性を示した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Takao Masuda: "Key Factors for the Encapsulation of Keggin-type Heteropoly Acids in the Supercages of Y-type Zeolite"Chemical Engineering Science. 56.. 799-804 (2001)
-
[Publications] Takao Masuda: "Effective Diffusivities of Lighter Hydrocarbons in Cu- and Co-MFI Type Zeolite Catalysts"Chemical Engineering Science. 56.. 889-896 (2001)
-
[Publications] Takao Masuda: "Modification of Effective Pore Opening of MFI-type Zeolite Utilizing Catalytic Cracking of Silane and Its Application to Preparation of H_2 Separation Zeolite membrane"Microporous and Mesoporous Materials. 48. 239-245 (2001)
-
[Publications] 増田 隆夫: "減圧TPD法による固体触媒の酸・塩基特性の同時評価"触媒. 43. 434-436 (2001)