2001 Fiscal Year Annual Research Report
無細胞系による多種タンパク質の迅速高収率合成・高度分離システムの開発
Project/Area Number |
13650830
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 昭彦 神戸大学, 工学部, 助教授 (40205547)
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Keywords | 無細胞タンパク質合成 / タンパク質 / 分子シャペロン / フォールダーゼ / 磁性微粒子 / フォールディング / 温度応答性微粒子 / 高度分離 |
Research Abstract |
タンパク質を迅速に合成する手法として、生物からタンパク質合成装置であるリボソームを抽出して、試験管内に遺伝子およびタンパク質の合成原料であるアミノ酸等とともに加えて反応を行う、無細胞タンパク質合成システムが検討されてきている。特に近年、ゲノム解析の急速な進展にともない、得られた極めて多種類の遺伝子から作られるタンパク質の構造機能解析を迅速に行うことが、急務となってきている。このため、本研究では、比較的小さなスケールでよいが、極めて多種類のタンパク質を遺伝子cDNAから効率よく迅速に合成して、高度分離精製するシステムの開発を目指した。無細胞タンパク質合成システムにおける正しい立体構造を持ったタンパク質の収率を飛躍的に向上させるために、生体内で働く各種の分子シャペロン・フォールダーゼを活用することを試みた。まず、大腸菌由来の分子シャペロン・フォールダーゼの生産系を確立した。それらがタンパク質フォールディング過程に与える影響を明らかにし、無細胞タンパク質合成システムの効率化に効果的な分子シャペロン・フォールダーゼの組み合わせを選択することを試みた。その結果、Dsbタンパク質と分子シャペロンの組み合わせが有効であることを明らかにした。また、高度分利用機能性材料としては、温度を低下させることで凝集し、数百nmの粒子径であるにも関わらず迅速な磁気分離が可能であり、表面に種々の官能基を持つ温度応答性の磁性微粒子(数十nmのマグネタイトを包含した温度応答性モノマーおよびスチレンより合成した微粒子)を調製した。凝集粒子の再分散は、昇温することで行える。今後、温度応答性微粒子を分子シャペロン・フォールダーゼの固定化、および合成したタンパク質の迅速分離用アフィニティ微粒子の調製に利用することを試みる。
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