2003 Fiscal Year Annual Research Report
酵素的加水分解による高生理活性キチンオリゴ糖生成システムの構築
Project/Area Number |
13650832
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
近藤 和生 同志社大学, 工学部, 教授 (30038096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 道明 同志社大学, 工学部, 教授 (10157381)
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Keywords | 酵素 / 加水分解反応 / 生理活性 / キチン / キチンオリゴ糖 |
Research Abstract |
本研究では,キチンの加水分解による高生理活性キチンオリゴ糖の効率的な生成システムの構築を目的とする。このため,まず自然界に豊富に存在しているキチン加水分解酵素の精製を行う。次に,水不溶性のキチンを,基質として適当な水溶性キチン誘導体に転換する。このキチン誘導体を基質とする酵素的加水分解反応を解析し,種々のキチンオリゴ糖の生成機構を明らかにする。さらに,動力学的検討ならびに反応工学的検討を踏まえて,5〜6糖程度の高生理活性オリゴマーを得る反応システムを構築することを目的とする。以上の目的を達成すべく,本年度は以下の研究実績を得た。 1.キチン分解の動力学 昨年度に引き続き,種々の由来のキチナーゼによるキチン分解動力学を明らかにした。まず植物由来酵素として,小豆種子およびトウモロコシ種子,ならびに菌体由来酵素として,Fusarium oxysporumが派生する酵素の精製を行い,それらの酵素特性およびキチン分解動力学について検討した。各酵素とも高い活性を有することがわかり,特にFusarium oxysporum由来酵素は糖転移能をも併せ持つ特異なキチナーゼがあることがわかった。 2.キチンオリゴマー生成の動力学 1の結果に基づき,糖転移能を有するFusarium oxysporum由来酵素を用いてN-アセチルグルコサミンモノマーからキチンオリゴマー生成について検討した。本酵素のキチンオリゴマー生成量が期待するほど,大きくなかったため定量的なキチンオリゴマー生成動力学の解析には至らなかった。 3.他のキチン分解酵素の精製 二,三の植物種子由来のキチン分解酵素ならびに菌体由来のキチン分解酵素の精製を行い,それらの酵素特性について検討した。次年度への検討課題としてこれらの反応動力学を明らかすると共に,キチナーゼの結晶化を行いたい。
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