2002 Fiscal Year Annual Research Report
光還元法によるメソ細孔内合金ナノ細線の鋳型合成と機能開発
Project/Area Number |
13650836
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福岡 淳 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (80189927)
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Keywords | ナノ細線 / ナノ粒子 / 鋳型合成 / メソ細孔 / 合金 / 薄膜 / 触媒 |
Research Abstract |
本年度は、メソ細孔シリカ内での金属ナノ細線の大量合成および分離法の確立を目指した。前年度までに得られた光還元によるナノ細線の生成機構を種々検討した結果、細孔内で金属イオンの移動速度が還元速度よりも大きいときにナノ細線ができるが、逆の場合にはナノ粒子ができることが示唆された。そこで、水素還元中に水蒸気(室温での蒸気圧、約20Torr)を共存させるとイオン移動が促進され、ナノ細線が生成することを見出した。この方法では操作が簡便であるとともに、金属担持量を上げることができるのが利点である。有機無機ハイブリッドメソ細孔シリカHMM-1を担体として重量比1:1まで白金ナノ細線の担持量を上げることができた。このように、金属ナノ細線の簡便な大量合成法を開発することに成功した意義は大きい。白金の他に、パラジウム、ロジウム、白金-金のナノ細線を合成した。特に白金-金の場合には、白金-金合金相の他に、白金相、金相の存在が示唆された。 HMM-1からフッ酸処理により分離した白金ナノ細線の構造を透過型電子顕微鏡と走査型トンネル顕微鏡で観察した。細線の直径は3nmで長さは25μmに達するものもあり、この場合アスペクト比は8300である。これは直径10nm以下のナノ細線のなかでは、最も大きなアスペクト比を有するものの一つである。さらに、細線の表面に約3nmの周期で凹凸があり、以前報告したナノネックレス構造をもつことが実証された。一方、純シリカのメソ細孔物質であるFSM-16内で調製した白金ナノ細線の表面は平坦であり、HMM-1の細孔に凹凸構造があることが示唆された。 触媒反応として、酸素雰囲気下、ベンジルアルコールの脱水素反応によるベンズアルデヒド合成反応を検討したところ、HMM-1担持白金ナノ細線は、白金当たりに換算してナノ粒子とほぼ同程度の触媒活性を示すことが分かった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 福岡 淳: "金属ナノ細線の鋳型合成と材料・触媒特性"触媒. 43. 609-614 (2001)
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[Publications] Paresh L.Dhepe: "Catalyst preparation using supercritical carbon dioxide : preparation of Rh/FSM-16 catalysts and their catalytic performances in butane hydrogenolysis reaction"Catalysis Letters. 1.2. 69-75 (2002)
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[Publications] Atsushi Fukuoka: "Template Synthesis of Nanoparticle-Arrays of Gold and Platinum in Mesoporous Silica Films"Nano Letters. 2. 793-795 (2002)
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[Publications] Paresh L.Dhepe: "Preparation of highly dispersed RhPt alloy catalysts in mesoporous silica using supercritical carbon dioxide and selective synthesis of ethane in butane hydrogenolysis"Chemical Communications. 2003. 590-591 (2003)
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[Publications] Atsushi Fukuoka: "Palladium nanowires and nanoparticles in mesoporous silica templates"Journal of Molecular Catalysis A : Chemical. (発表予定). (2003)
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[Publications] Atsushi Fukuoka: "Template synthesis and catalysis of metal nanowires in mesoporous silicas"Studies in Surface Science and Catalysis. (発表予定). (2003)
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[Publications] Atsushi Fukuoka: "Morphology-Controlled Materials -Advanced Materials Processing and Characterization-"Springer Verlag(発表予定). (2003)