2002 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素を含まない水素の製造に適したジメチルエーテル水蒸気改質触媒の開発
Project/Area Number |
13650840
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
武石 薫 静岡大学, 工学部, 助手 (40216841)
|
Keywords | ジメチルエーテル / DME / 水素 / ゾルーゲル法 / 水蒸気改質 / 一酸化炭素 / アルミナ / 銅触媒 |
Research Abstract |
ジメチルエーテル(DME)は、毒性がなく、燃やしても煤が出ない、取り扱いも容易であることなどから、次世代のクリーン燃料として期待がもたれている。今回、PEFCで使用する水素を考え、DMEの水蒸気改質によりCOを含まないH_2製造ができる改質触媒の探索を試みた。 実験にはゾルーゲル法で調製したγ-Al_2O_3、SiO_2、Cu/Al_2O_3、Ru/Al_2O_3、Cu/SiO_2、Cu/ZrO_2、Cu-Zn/Al_2O_3、Cu-Fe/Al_2O_3、Cu-Mn/Al_2O_3、Cu-Pd/Al_2O_3など、その他含浸法で調製したCu-Zn/Al_2O_3や市販のCuO-ZnOなどの触媒を用いた。 ゾルーゲル法で調製したAl_2O_3系担持触媒が、多量にH_2を生成した。また、Al_2O_3のみだとメタノールを多く生成した。一方、メタノールの水蒸気改質に優れていたSiO_2系触媒では、H_2はほとんど生成しなかった。これらのことから、DMEからH_2を製造するのには、DMEのメタノールへの加水分解のためにLewis酸点の多いγ-Al_2O_3が優れ、できたメタノールが活性金属によって水蒸気改質されH_2が生成するものと推測した。また、触媒調製法として、触媒表面にLewis酸点と活性金属とをバランスよく分布させる点から、ゾルーゲル法が優れていることが分かった。さらに、H_2生成速度の向上と副生成物のCOの削減を目指し、触媒探索をしたところ、活性金属としてCuが優れ、さらに数%のZn、Fe、Mnを添加すると、H_2生成速度が増加することが確認された。残念ながら、COは生成されたH_2とCO_2との逆水性シフト反応からできると考えられ、ppmオーダーへの削減はできなかった。しかし、たとえばCu-Zn(29-1wt%)/Al_2O_3触媒を用いると、反応温度275℃でDME変換率95%、CO濃度0.8%であり、低温高活性な触媒を開発することができた。 (本研究に関係した学会発表として、平成13、14年度の間に、日本化学会年会で5報、触媒討論会で3報、発表することができました。ここに、本助成に関して、お礼を申し上げます。)
|