2004 Fiscal Year Annual Research Report
疎水性活性炭の表面特性の解析と乾式排煙脱硫プロセスへの応用
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13650843
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Research Institution | National University Corporation Tottori University |
Principal Investigator |
中村 宗和 国立大学法人鳥取大学, 地域学部, 教授 (70332773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 直伸 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 助教授 (00243379)
丹羽 幹 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 教授 (10023334)
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Keywords | 活性炭触媒 / 酸化反応 / 二酸化硫黄 |
Research Abstract |
触媒表面特性を認識する一環として実施したX線光電子分光(XPS)と親疎水性評価では、活性炭触媒表面の酸素濃度の高い触媒ほど、また疎水性の高い触媒ほど、二酸化硫黄の酸化反応に高活性である傾向を示した。 そこで、より高活性触媒を探索する目的で、意図的にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を利用した、撥水処理の効果を確認した。ここでは実験に供したPTFEの粒子サイズ、担持量を制御していないものの、いずれの触媒においても、撥水処理によって、酸化活性は飛躍的に向上することを見出した。 引き続き、これまでの研究で確認された高活性触媒を利用した乾式排煙脱硫プロセスの概念設計を進めた。本プロセスでは、触媒充填式反応器を利用することとなるが、その際、重要視されねばならないのは、触媒活性(反応器サイズ)や、触媒寿命、触媒単価、触媒強度、製造および利用の環境配慮などである。本研究では、これらの要因のうち、触媒寿命を確認していないものの、触媒活性は既往の発表文献レベルにあり、今後の改良も期待できる。触媒製造の原材料は廃木材であり、環境面での貢献はもちろん、利用の上での問題も少ない。重要な未解決課題は、大量の燃焼ガスが触媒層を通過するときの圧力損失を低下させる触媒形状の選定であろう。工業的に利用されている、湿式石灰石石膏法においても、コンプレッサーの消費電力がプロセスの経済性を左右すると言われている。 特許情報の検索や文献発表によれば、本分野の先行研究グループは、新日本石油(旧興亜石油)に毎時ガス処理量300,000m^3/hrの商業1号機を建設したと伝えられる。ここでは、上記の考えを実現するハニカム構造の触媒を成形することに成功したものと推定される。今後は、われわれの開発した環境制御型触媒の長所と、上記ハニカム構造成形技術との融合によるプロセス改良が進展するものと期待する。
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Research Products
(2 results)