2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650848
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白神 直弘 群馬大学, 工学部, 教授 (30162770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱田 優 群馬大学, 工学部, 助手 (00302456)
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Keywords | 動物細胞 / 剪断応力 / 細胞接着 |
Research Abstract |
動物細胞培養過程で遭遇するダイナミックプロセスは、培養面への接着プロセス、培養面での増殖プロセス、培養面からの剥離プロセス、と考えられる。培養面での接着プロセスでは、培養初期段階における動物細胞の培養面への効率的接着方法を、培養面での増殖プロセスでは、動物細胞が培養面で増殖しうる剪断応力値を、培養面からの剥離プロセスでは、増殖した動物細胞が剥離してしまう剪断応力値を、それぞれ実験的に明らかにして、動物細胞用バイオリアクターの設計指針となりうる基礎データを収集することが本研究課題の目的である。 平成13年度は、動物細胞への剪断応力負荷装置を製作すると共に接着プロセス解析を行った。 1 シャーレ型培養器内で動物細胞を培養しながら細胞に一定の剪断応力を負荷する装置を製作した。この装置は回転粘度計(現有備品)を改造することによって製作した。改造の主要点は動物細胞培養のための37℃の温度制御と雑菌汚染対策用としてのクリーンブースを設置したことである。 2 電極反応を利用して培養器壁面剪断応力を測定したところ、培養器内剪断応力の半径方向分布は認められず、培養器内のどの細胞にも同一の剪断応力が負荷されていることを確認できた。 3 培養器へ細胞を播種し、剪断応力無負荷状態での細胞接着時間を顕微鏡下撮影カメラシステム(申請備品)によって測定した。ピペッティングによっても細胞が剥がれない時を接着時間としたが、数十分のオーダーであった。 4 接着細胞数の剪断応力依存性を実験的に求めたところ、一般的には剪断応力値の増大に伴って接着細胞数は減少したが、低剪断応力負荷では接着細胞数の変化しない領域の存在を確認できた。 5 培養開始時に動物細胞の培養器への接着時間を確保せずとも細胞付着が可能であることを明らかにした。
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