2002 Fiscal Year Annual Research Report
微生物におけるジベンゾチオフェンの脱硫代謝系新規酵素類の特性解明と機能改変
Project/Area Number |
13650857
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 講師 (00233106)
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Keywords | ジベンゾチオフェン(DBT) / DBT脱硫菌 / DszB / HBPSiデスルフィナーゼ / DszC |
Research Abstract |
石油中の難除去性含硫化合物ジベンゾチオフェン(DBT)は、石油の燃焼の際に亜硫酸ガスを生成し大気中に放出されて酸性雨の原因物質となることから地球環境問題のターゲット物質の一つとして近年特に注目を集めている.本研究では高効率脱硫プロセスの構築を目標に、DszBに重点をおき脱硫代謝全酵素系の特性解明と酵素活性・安定性向上のための機能向上・改変を目的として以下の結果を得た。 (1)DszBの大量発現と酵素の特性解明 Rhodococcuse erythropolis D-1におけるDBT脱硫代謝系の最終段階を触媒するDszB酵素遺伝子をシャペロニン遺伝子groEL/ESとともに大腸菌に導入して酵素を大量発現した。組換えDszB酵素は至適温度35℃,基質HBPSiに対するKm値、kcat値はそれぞれ8.2mMおよび0.123s-1であった。DszBはまた反応生成物2-HBPによって阻害を受けた(Ki=0.25mM)。しかしもう一つの反応生成物亜硫酸イオンには阻害されなかった。基質特異性は非常に高くHBPSi似外ではフェニルベンゼンスルフィン酸にのみ活性があった。以上のことから本酵素は新規酵素と考えられ、HBPSiデスルフィナーゼと命名した。 (2)DszBの立体構造解析 DszBの結晶化を行ったあとX線結晶解析により立体構造を明らかにした。本酵素は、ABCトランスポーターの基質結合タンパク質ファミリーでよく見られる2つのα/βドメインから成る楕円形をしており、一次構造および立体構造の相同性検索の結果、硫酸エステル結合タンパク質AtsRと相同性を示した。しかしAtsRは基質結合タンパク質であり、酵素活性はない。したがって、DszBは基質結合タンパク質から酵素活性をもつ加水分解酵素へと進化する過程に位置するタンパク質であると推定された。 (3)変異DszBの作成と評価 立体構造解析を基にDszBの安定性向上を目的とした変異酵素(N末18残基欠損酵素)、および生成物阻害の解除を目的とした変異酵素(T62、Y63を他のアミノ酸残基に置換した酵素)をデザインし、各無細胞抽出液を用いて評価を行った。現在までのところ、目的とする変異酵素は得られていないが、Y63は触媒活性に大きな影響を与える残基である結果がえられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yoshikazu Izumi: "A novel enzyme, 2-hydroxybiphenyl-2'-sulfinate desulfinase (DszB) from dibenzothiophene desulfurizing bacterium, Rhodococcus erythropolis KA2-5-1 : Gene overexpression and enzyme characterization"Biochimica et Biophysica Acta. 1598. 122-130 (2002)