2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650862
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
磯貝 泰弘 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 先任研究員 (00201921)
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Keywords | 蛋白質設計 / 蛋白質工学 / 実験室進化 / DNA結合蛋白質 |
Research Abstract |
アミノ酸ロタマーごとに分子内環境への適合性を評価できるロタマーポテンシャルを用いて、DNA結合タンパク質λCroの立体構造(pdb code:5cro)を安定化するアミノ酸配列を設計した。λCroは、全長67残基のサブユニットからなるダイマーで、2次構造としてαヘリックスとβシートをもつ。今回、最適化計算にはモンテカルロ法を用い、DNAとの相互作用に必須なQ16とQ27を固定し、蛋白質全体として塩華性の等電点を持つように組成を制限した。得られた配列は、等電点9.4(天然9.4)、モノマー分子量6961Da(同6719Da)、天然配列と26%の一致度を示した。この配列をコードする人工遺伝子を作製し、大腸菌に導入することによって人工蛋白質(S4)を合成した。S4は、低濃度で、ほぼターゲットとした2次構造をもつダイマー蛋白質にフォールドした。一方、蛋白質-DNA複合体の立体構造データベースから作製したアミノ酸-塩基間の経験ポテンシャルとS4の構造モデルから設計した人工オペレーターを用いたin vivo実験において、S4は非特異的で弱いDNA結合活性を示した。さらにダイマーの構造モデル中でモノマー間の境界領域を形成するβリボンをβヘアピンに置換することによってモノマーとなるような変異体(S4m)を設計した。合成されたS4mは広い濃度領域でモノマーの状態をとり、良好なNMR、スペクトルを示した。したがって、使用したロタマーポテンシャルは分子設計に有効であり、生物学的機能を付加するために予定している実験室進化実験における出発分子のデザインを可能とする。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Isogai, Y., Ota, M., Ishii, A., Ishida, M., Nishikawa, K.: "Identification of amino acids involved in protein structural uniqueness: Implication for de novo protein design"Protein Engineering. 15. 555-560 (2002)
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[Publications] Satoh, T., Itoga, A., Isogai, Y., et al.: "Increasing the conformational stability by replacement of heme axial ligand in c-type cytochrome"FEBS Letters. 531. 543-547 (2002)
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[Publications] Isogai, Y.: "Stability and specificity of protein structure"RIKEN Review. 46. 48-49 (2002)
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[Publications] Shiro, Y., Isogai, Y., Nakamura, H., Iizuka, T.: "Physiological functions and molecular structures of new types of hemoproteins"Progress in Biotechnology. 22. 178-204 (2002)