2003 Fiscal Year Annual Research Report
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13650862
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
磯貝 泰弘 独立行政法人理化学研究所, 生体物理化学研究室, 先任研究員 (00201921)
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Keywords | 蛋白質設計 / 蛋白質工学 / 実験室進化 / DNA結合蛋白質 / ヘム蛋白質 |
Research Abstract |
λファージCroタンパク質の立体構造へ折り畳まれるようにデザインした人工DNA結合タンパク質を合成し、NMRによる立体構造解析を行った。ターゲットとしたλCroは、66アミノ酸残基からなり、2次構造として3本のαヘリックスと4本のβストランドをもつ。計算によって得られたアミノ酸配列をコードする人工遺伝子を用いて大腸菌を形質転換し、^<15>NH_4Cl,^<13>C_6H_<12>O_6を添加したM9最小培地中で培養することにより、人工タンパク質を同位体ラベルした。この試料について、多次元NMRの測走を行い、主鎖由来シグナルを各構成アミノ酸残基に帰属することが出来た。Chemical shift indexの解析から、この人工タンパク質は、アミノ酸配列上、ターゲットとした立体構造と同様の2次構造分布をもつことが分かった。これらの結果は、我々の方法が、球状蛋白質構造の設計に適用できることを示す。 一方、これまでに我々がデザイン・合成した人工ヘムタンパク質の機能をネイティブライクなものへと実験室進化させるツールとして、卵白に含まれるアビジンタンパク質と特異的に結合する補酵素であるビオチンと鉄-ポルフィリンをリンカーを介して共有結合させたビオチン化ヘムを合成した。この化合物を、大腸菌で発現させたアポミオグロビンや人工ヘムタンパク質を含む細胞抽出液に加え、市販されているアビジン-磁気ビーズやアビジン-アガロースを用いて回収したところ、それらのヘム蛋白質が効率良く精製できた。また分光学的測定からビオチンヘムと結合したミオグロビンが分子状酸素と安定に結合し、生物学的な活性を保持していることが分かった。したがって、この化合物は、人工ヘムタンパク質の実験室進化ばかりでなく、生体中の微量ヘムタンパク質の精製と標識、ヘムタンパク質関連疾患の診断薬、さらには光力学療法用治療薬等としても応用可能である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ota, M., Isogai, Y., Nishikawa, K.: "Knowledge-based potential defined for a rotamer library to design protein sequences"Protein Engineering. 14. 557-564 (2001)
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[Publications] Isogai, Y.: "Protein architecture by de novo design"RIKEN Review. 41. 96-97 (2001)
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[Publications] Isogai, Y., Ota, M., Ishii, A., Ishida, M., Nishikawa, K.: "Identification of amino acids involved in protein structural uniqueness : Implication for de novo protein design"Protein Engineering. 15. 555-560 (2002)
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[Publications] Satoh, T., Itoga, A., Isogai, Y., et al.: "Increasing the conformational stability by replacement of heme axial ligand in c-type cytochrome"FEBS Letters. 531. 543-547 (2002)
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[Publications] Isogai, Y.: "Stability and specificity of protein structure"RIKEN Review. 46. 48-49 (2002)
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[Publications] Ishida, M., Dohmae, N., Shiro, Y., Isogai, Y.: "Synthesis of biotinylated heme and its application to panning heme-binding proteins."Analytical Biochemistry. 321. 138-141 (2003)
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[Publications] 磯貝泰弘, 太田元規: "シリーズ・ニューバイオフィジックスII第9巻「生体ナノマシンの分子設計」(城所俊一編)、人工タンパク質の合理的設計"共立出版. 232(102-121) (2001)
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[Publications] Shiro, Y., Isogai, Y., Nakamura, H., Iizuka, T.: "Progress in Biotechnology, Vol.22(Endo, I. et al., Eds.),Physiological functions and molecular structures of new types of hemoproteins"Elsevier. 231(189-204) (2002)