2001 Fiscal Year Annual Research Report
食中毒の未然防止を目指したフレッシュセンサと簡易計測システムの開発
Project/Area Number |
13650863
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
金木 則明 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (40125373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 哲 東亜ディーケーケー(株), 商品開発部, 商品開発部次長
浅野 泰一 八戸高等専門学校, 工学部, 教授 (80311108)
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Keywords | 鮮度センサ / 電極 / ポテンシオメトリー |
Research Abstract |
本研究では、食肉の鮮度劣化即ち細菌による腐敗が進行する初期過程で生じるアミノ酸などの有機物、硫黄化合物、還元物質を、計測原理として最も簡単でしかも高感度選択的ポテンシオメトリック固体膜型化学センサである有機物と親和性のある硫化銅、硫黄成分に高感度な硫化銀、酸化還元白金センサに対応させて鮮度指標として、簡便でしかも信頼性の高い現場対応型フレッシュセンサとより簡便な計測システムをポオテンシオメトリーに基づいて構築し、食中毒の未然防止のために食品の新鮮さを見極めることの出来る簡便でしかも長期間安定なフレッシュセンサの開発を試みる。コロニーカウント法を用いて、生菌数を調べて豚肉の鮮度を検討し、また豚肉の変質過程にたいして硫化銀・白金・硫化銅のマルチ電極の基本的な出力を調べ、鮮度を評価するセンサシステムの基本特性について検討した。 豚肉を10℃で貯蔵してコロニーカウント法を用いて生菌数を調べた結果、1日目で10^3個/g、3日目で10^6個/g,4日目で10^8個/gの値を示し、初期腐敗が3日から4日目で生じていることが認められた。また、貯蔵における豚肉の変質に対する硫化銀・白金・硫化銅のマルチ電極の基本的な出力を調べた結果、貯蔵4日目試料に対して、白金電極では電極の出力応答は400mVで、応答時間は約8分で定常状態に達した。酸化銅電極では電極の出力応答は200mVの値を示した。また、硫化銀電極では電極の出力応答は150mVの値を示した。これらのマルチ電極の応答から食肉の鮮度を評価できる可能性が認められた。 今後は、電極の感度を更に上げるため、試料の抽出条件、銅錯体量等を検討し、更にセンサシステムを小型化し、携帯型現場管理用フレッシュセンサシステムの構築を試みる。
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