2001 Fiscal Year Annual Research Report
トポタクチック構造変換反応を利用したチタン酸化物配向性薄膜の作製
Project/Area Number |
13650894
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
馮 旗 香川大学, 工学部, 助教授 (80274356)
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Keywords | トポタクチック構造変換反応 / ソフト化学法 / 配向性薄膜 / チタン酸バリウム / 酸化チタン / 層状チタン酸 / 層状結晶の剥離反応 / ステンレス基板 |
Research Abstract |
本研究は、層状化合物のトポタクチック構造変換反応を利用して多結晶基板や非結晶基板上で配向性薄膜を作成する低コスト、省エネルギーセラミックス薄膜プロセスの開発を目的とする。平成13年度は、次の課題について取り込みを行った。 1.フラックス法で層状チタン酸塩K_<0.8>Ti_<1.73>Li_<0.27>O_4を合成した。それを硝酸溶液で処理して層状チタン酸H_<1.07>Ti_<1.73>O_4を調製した。その層状チタン酸をn-propylamine溶液で処理して層状チタン酸をナノシート状に剥離し、ナノシートゾル溶液を作製できた。このゾル溶液を用いてディッピング法でステンレス基板上に層状チタン酸の配向性薄膜の作成に成功した。薄膜の透明性や膜厚などの特性は剥離条件に依存する。0.1M n-propylamine溶液で剥離処理では、透明な層状チタン酸薄膜を作製できることを明らかになった。 2.作製した層状チタン酸の薄膜を空気中で加熱処理を行い、酸化チタンの薄膜を作製した。600℃で加熱処理した場合、アナターゼ型TiO_2薄膜が得られた。800℃で加熱処理した場合、ルチル型TiO_2薄膜が得られた。これらの酸化チタン薄膜はそれぞれ[103]と[110]結晶軸方向へ強く配向することがわかった。さらに水熱法でBaTiO_3の薄膜作製についても検討した。層状チタン酸の薄膜を溶液につけると、層状チタン酸が再剥離して溶液に溶けてしまう問題があるが、それを解決するために、層状チタン酸薄膜を300℃で加熱処理して層間のn-propylamine分子を蒸発させることで層状チタン酸薄膜の再剥離を防ぐことに成功した。このように調製した層状チタン酸薄膜をBa(OH)_2溶液中で水熱処理してBaTiO_3薄膜を作製した。BaTiO_3薄膜は[110]結晶軸方向へ強く配向することが明らかになった。
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