2002 Fiscal Year Annual Research Report
アルケニルホウ素化合物を利用する末端共役エンインの立体選択的合成
Project/Area Number |
13650898
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
星 雅之 北見工業大学, 工学部, 助教授 (00113712)
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Keywords | アルケニルボラン / 2-ブロモート(トリメチルシリル)アセチレン / クロスカップリング / 銅(II)アセチルアセトナート / 3-アルケン-1-イン / 薗頭反応 / 1-アリール-3-アルケン-1-イン |
Research Abstract |
銅(II)アセチルアセトナートを触媒とする(E)-及び(Z)-1-アルケニルジシアミルボランと2-ブロモ-1-(トリメチルシリル)アセチレンとのクロスカップリング反応は、1M-NaOMeのメタノール溶液を塩基として用いることによりトリメチルシリル基の脱保護が同時に進行し、アセチレンユニットが結合した(E)-及び(Z)-3-アルケン-1-インを選択的に与えることが前年度の研究でわかった。このクロスカップリング生成物である末端共役エンインを単離、精製せずにワンポットでさらなる分子構築に利用することを検討した。 アセチレニック水素を有しているこの末端共役エンインとハロゲン化アリールとのクロスカップリング反応、すなわち、薗頭反応に適用することを試みた。薗頭反応を進行させるためには適当なパラジウム-銅触媒と塩基を必要とするが、一段階目のクロスカップリング反応において使用したNaOMeのメタノール溶液や未反応のアルケニルボランが反応系中に残っているので、副反応が起こらないようにしなければならない。そこで、室温で薗頭反応が進行可能なヨードベンゼンを用い、触媒としてスタンダードなPdCl_2(PPh_3)_2-CuIを使用して末端共役エンインとの反応について検討を行った。その結果、塩基として水酸化テトラブチルアンモニウムを末端共役エンインに対して二等量使用することにより、対応する(E)-及び(Z)-1-フェニル-3-アルケン-1-インが高い立体選択性をもって高収率で得られることがわかった。 (E)-及び(Z)-3-アルケン-1-インと種々のヨウ化アリールとの薗頭反応について現在検討を行っている。
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Research Products
(1 results)