2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650914
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10016701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
跡部 真人 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (90291351)
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Keywords | 常温溶媒塩 / グリーンケミストリー / フッ素化エーテル / フッ素化ラクトン / フッ素化環状カーボナート / フッ素化フタリド / 電解フッ素化 / イミダゾール塩 |
Research Abstract |
本研究は常温溶融塩を反応メデイア兼支持塩とする無溶媒系での有機電解合成プロセスを確立するための指針を得ることを目的としたものであり、本年度は以下の成果を挙げることができた。 これまで直接フッ素化が極めて困難とされてきた鎖状および環状エーテル、ラクトン、環状カーボナート類を対象とし、耐酸化性の常温溶融塩であるフッ化物塩、Et4NF/4HFあるいはEt4NF/5HFを用いる無溶媒条件下での電解フッ素化を検討した。その結果、基質に対しフッ化物イオンが2.4当量となるようフッ化物塩を用い、基質との混合物を電解液とし、無隔膜セル中、白金陽極により高電流密度で定電流電解を行うと高収率で相応するフッ素化体が得られることを見い出した。これらの基質である含酸素化合物は有機溶媒を用いるとフッ素化が殆ど進行しないか副生成物が多量に生成する問題があったが、フツ化物塩系常温溶融塩を用いることにより、これらの問題点を克服することができた。本フッ素化法はたとえば、エーテル類のフッ素化体が電解液を蒸留するだけで高収率で単離できるなど有機溶媒を全く使用することなく電解から単離まで行える利点がある。 含酸素化合物であるフタリド類は酸化電位が極めて高いため直接フッ素は困難であったが、イミダゾール系常温溶融塩とEt4NF/5HFの混合液中でフタリド類を電解酸化する生約80%の収率で相応するフッ素化体が得られることを見い出した。本フッ素化は酸素原子2隣接位でのみ選択的に起こり、ベンゼン環上でのフッ素化は全く生起しないことから画期的なフッ素化法といえる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] MASARU HASEGAWA: "ELECTROORGANIC SYNTHESIS UNDER SOLVENT-FREE CONDITIONS"TETRAHEDRON LETTERS. 43(印刷中). (2002)
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[Publications] 石井 英樹: "イオン性液体(常温溶媒塩)中での有機電解反応"ELECTROCHEMISTRY. 70・1. 46-50 (2002)