2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規ならせん構造をもつ芳香族ポリマーの合成と光学材料への応用
Project/Area Number |
13650926
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
武石 誠 山形大学, 工学部, 教授 (20007214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 元康 山形大学, 工学部, 助手 (50323176)
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Keywords | らせんポリマー / 軸不斉ビナフチル / 重縮合 / アクリジン / シクロデキストリン / ポリアミド / クラウンエーテル / CDスペクトル |
Research Abstract |
軸不斉ジョイントと機能性セグメントを結合して各種の縮合系らせんポリマーを合成し、その性質をしらべた。 パラジウム触媒を用いてジブロモ軸不斉ビナフチルとジアミノアクリジンを縮合するとらせんを形成する芳香族ポリアミド得られ、その安定コンホメーションを計算したところ、7ユニットが1ピッチとなるらせんであることがわかった。(R)-および(S)-ビナフチルを用いることにより右巻きのPらせんと左巻きのらせんポリマーが生成するが、塩基性アクリジユニットがこのキラル名環境に組み込まれているので、キラルな酸との立体選択的な相互作用が予想される。実際(R)-および(S)-カンファースルホン酸との相互作用をしらべたところ、立体特異的な相互作用がCDスペクトルにより確認され、キラルな塩基性ポリマーによりキラルな酸を識別できることが見出された。 さらに、ジブロモ軸不斉ビナフチルとジアミノジベンゾクラウンエーテルと一酸化炭素との反応により主鎖にクラウンエーテルユニットを持つらせんポリアミドを合成した。このポリマーはクラウンエーテル環にアルカリ金属イオンを取り込んで錯形成することにより、らせん構造が変化することがCD素ぺくと利により確認され、その応答により金属イオンを識別できる機能性高分子材料として応用できることがわかった。 また、新しいらせん誘導法として、シクロデキストリンに包接されたジアミンとジアルデヒドを反応させることにより、らせんポリアゾメチンを合成できることを見出した。この方法はピロールなどのヘテロ環の重合に応用することができので、キラルポリマーの新規な合成法として有用なものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Agata, M.Kobayashi, H.Kimura, M.Takeishi: "Sterospecific Interaction of One-handed Helical Polycations with Chiral Anions"Polymer. 43・17. 4829-4833 (2002)
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[Publications] Y.Agata, M.Kobayashi, H.Kimura, M.Takeishi: "Synthesis and Properties of Helical Polyamidas Containing Atropisomeric Binaphtyl Units and Crown Ether Rings in the Main Chain"Polymer Journal. 34・12. 962-966 (2002)