2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規大環状配位子の分子設計に基づく遷移金属錯体自己組織化単分子膜の創製と機能開発
Project/Area Number |
13650929
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神原 貴樹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (90204809)
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Keywords | 環状化合物 / チオアミド / アミノピリジン / 環状配位子 / 遷移金属錯体 / 包接化合物 / 自己組織化 / 薄膜 |
Research Abstract |
本研究は、遷移金属に対する配位サイトを有する新しい環状配位子を分子設計・合成し、その特性を明らかにすると共に、それらを用いる自己組織化単分子薄膜を調製して配向配列制御を行い、新機能発現の可能性を探ることを目的としている。 昨年度に引き続き、新規の環状配位子の合成について検討した。パラジウム錯体及び銅塩を触媒とする炭素-窒素結合生成反応を環状化合物生成に適用することによってピリジン骨格から構成される環状芳香族アミンであるアザカリックスピリジンを得た。置換基によって環サイズの異なる環状配位子を別途合成できることが分かった。同様な合成法を用いて側鎖にピリジン環の結合した環状芳香族アミンも併せて合成した。また、Lawesson試薬を用いた環状アミド(ポリラクタム)のチオカルボニル化反応により新規の環状チオアミド(ポリチオラクタム)を調製した。 アザカリックスピリジンは環内孔に窒素原子の孤立電子対が集約されていることから、各種遷移金属イオンに対して配位特性を示し、同様な骨格の非環状多座配位子とは異なる形態を有する新しい遷移金属錯体が生成することをX線結晶構造解析から明らかにした。一方、環状チオアミドは環内孔にチオアミドのNH基が集約しており、強い陽子供与性を有し陰イオンを包接して新しい包接錯体を生成した。また、チオカルボニル化により陰イオン包接能が向上することを定量的に明らかにした。 環状チオアミドは金属基板上で自己組織化単分子薄膜を形成することが電気化学的測定により分かった。ラマンスペクトルより環の外側に位置するチオカルボニル基を介して銀コロイド表面で共有結合性相互作用していることが示唆された。また、チオアミド基の配位特性を明らかにするために、モデル白金錯体を調製しその構造を明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takaki Kanbara: "Preparation of Poly(arylenediphosphine)s by Palladium-Catalyzed Polycondensalion. Formation of Polymer Transition Metal Complexes and Catalytic Reactions"J.Polym.Sci. : Part A : Polym.Chem.. 40. 2637-2647 (2002)
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[Publications] Yuko Miyazaki: "Preparation of New Type of Azacalixarene, Azacalix[n](2,6)pyridine"Tetrahedron Lett.. 43. 7945-7948 (2002)