2002 Fiscal Year Annual Research Report
三成分重縮合法の開拓とこれに基づく可溶性π共役高分子の一段階合成
Project/Area Number |
13650932
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨田 育義 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (70237113)
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Keywords | 三成分重縮合 / π共役高分子 / 機能性高分子 / 遷移金属触媒 / ポリフェニレン / ポリ(フェニレン-ビニレン) |
Research Abstract |
重縮合は各種機能材料の合成手段として重要な方法であるが、通常単純な2種類の官能基間の縮合によって主鎖が連結されるため複雑な構造を付与した機能性高分子を得るためにはモノマーの構造設計に重点を置かざるを得ない。本研究では3つの成分を一段階で秩序正しく連結する素反応に基づき新しいタイプの重縮合法(3成分重縮合法)を開発し、これに基づき比較的簡単な構造のモノマーから高度に機能化されたポリマーを得る手法を確立するとともに、主に溶解性などの性質を付与しながら剛直な主鎖構造をもつπ共役系高分子の合成の検討を展開している。本年度は、昨年度に引き続き、ハロゲン化した芳香族アレンと官能基をもつ求核剤との重合に基づく求核剤由来の側鎖を付与したポリ(アリーレン-ビニレン)などのπ共役高分子の合成を検討し、本手法によって主鎖構造に基づくπ共役高分子としての性質を損なうことなく、簡便に機能性を付与したポリ(アリーレン-ビニレン)が構築できることを示した。また、3成分重縮合法によるエンイン骨格を繰返し単位に含むπ共役材料の合成法を発展させ、同骨格をもつ高分子材料の紫外可視吸収ならびに蛍光機能性の詳細な評価を併せて行い、置換基の性質と蛍光特性などとの相間関係から高分子骨格の分子設計の指針を得た。また、イミン骨格の生成とこれに続くDiels-Alder型の環形成が一挙に進行する3成分重縮合を新たに検討し、比較的剛直な環状アミン部位をもつポリマーの合成が容易に行えることを明らかにした。
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