2003 Fiscal Year Annual Research Report
抗体マトリックスを利用した触媒・電子移動システムの構築
Project/Area Number |
13650936
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 浩靖 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00314352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127282)
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Keywords | モノクローナル抗体 / ロジウム / 水素化 / 触媒 / 立体選択性 / 特異性 |
Research Abstract |
これまでの抗体触媒には遷移金属錯体を抗原結合部位に導入して触媒とした報告例がない。本研究では生体内に存在しない遷移金属を生体系に導入することによる新規触媒機能発現を期待し、ロジウム錯体に対するモノクローナル抗体を作製した。第VIII族遷移金属錯体であるロジウム錯体にはオレフィンの水素化を筆頭に様々な反応を触媒することが報告されている。その中でも高選択的な有機合成反応の触媒として広く用いられている3級ホスフィンを配位子とするロジウム錯体を抗原決定基に導入した。抗原決定基として立体的に嵩高い配位子を有するロジウム錯体[(1,5-cyclooctadiene){bis(2-diphenylphosphinoethyl)succinamido}rhodium(I)]perchlorateを合成した。これをキャリヤータンパク質に担持させて免疫用抗原を得た。マウス腹腔内に免疫し、血中にロジウム錯体に対する抗体が十分に産生されていることを酵素標識抗体測定法により確認した。マウス牌臓細胞とミエローマ細胞を細胞融合した後に、ロジウム錯体に特異的に結合する抗体を産生する細胞を選別した。得られたモノクローナル抗体はロジウム錯体と2.1x10^<-5>Mの解離定数をもって結合していることが明らかとなった。抗体存在下アセトアミドアクリル酸を基質とする水素化反応を行った結果、ターンオーバー数は小さいものの反応が進行することが明らかとなった。また抗体が基質の反応部位への接近を制御していることが示唆され、高い立体選択性が期待できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Harada, A., Yamaguchi, H., Tsubouchi, K., Horita E.: "Dendritic Antibody Supramolecules : Combination of IgM and IgG"Chem.Lett.. 32. 18-19 (2003)
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[Publications] Yamaguchi, H., Harada, A.: "Antibody Dendrimers"Top.Curr.Chem.. 228. 207-228 (2003)
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[Publications] Yamaguchi, H., Harada, A.: "Dendritic Antibody Supramolecules"Polym.Prep.. 44(2). 502-503 (2003)
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[Publications] Yamaguchi, H., Harada, A.: "Macromolecular Nano-Structured Materials"Kodansha Scientific, Tokyo (In press). 15 (2004)