2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650941
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮島 直美 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10199482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 尚英 熊本大学, 理学部, 教授 (80145284)
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Keywords | 金属錯体液晶 / スピンクロスオーバー錯体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、液晶相転移近傍でスピンクロスオーバー挙動を示す金属錯体液晶を開発することである。交付申請時の合成計画に従って以下の作業を行った。 1.室温スピンクロスオーバー錯体(プロトタイプ)の液晶化修飾 [Fe^<II>(Hata)_3]Y_2・2H_2O(Hata=4-アミノ-1,2,4-トリアゾール、Y=アルキルスルホン酸イオン)の組成をもつプロトタイプ固体は、Fe(II)イオンの鎖状配位高分子構造を含むと考えられている。本研究においては配位子の4-位を4-アルコキシベンジリデン残基で修飾し、また今年度は金属イオンとして取り扱いの容易なCu(II)を用いて合成条件を探索した。しかし、得られた試料は常に組成の一定しないオリゴマー混合物のみであり、液晶性も見られなかった。 2.新規配位子・錯体の合成 a.[M(salen)]型液晶化合物:次善の策として、従来多くのスピンクロスオーバー錯体が見出されている単核のシッフ塩基系キレートを骨格として選び、4-6本のアルキル長鎖を取り付けた各種の[M(salen)]型化合物(M=Ni, Cu, VO)を合成し、ポリカテナー液晶としての特性を整理した。 b.ネマティック液晶に可溶な6配位Ru(II)錯体:室温でも低スピン状態を取る母体化合物として6配位トリスキレート錯体を選び、アルキル基を含む修飾により、常温ネマティック液晶に数wt%程度溶けるRu(II)錯体の誘導体を得た。 また、より強い配位子場を与える可能性のある配位子として、ツイン型6環系サリチリデンアニリン誘導体を合成し、その特異なスメクティック液晶性を明らかにしつつある。
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Research Products
(1 results)