2002 Fiscal Year Annual Research Report
定序配列型光学活性ポリエステルの創製と構造・機能特性
Project/Area Number |
13650947
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
古屋 秀峰 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90251652)
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Keywords | ポリエステル / 光学活性 / 定序配列制御 / 縮重合 / 高次構造 / 機能特性 |
Research Abstract |
ポリエステルは、学術的ならび工業的に広く研究開発され、重要な高分子材料であり、一般に、対称的な官能性モノマーの縮重合によって合成されている。近年、高分子材料の性能・機能を向上させるため、一次構造を精密に制御した合成が活発に研究されている。今までに、タンパク質やDNAなどの生体高分子については、多種類のモノマー単位が定序的に結合させる技術は確立され、多種多様の化合物が合成されている。また、ポリプロピレンなどの一部のポリマーでは、立体特異性の制御において触媒の開発が進んでいる。しかしながら、縮重合系ポリマーにおいては、モノマー単位の定序配列制御は難しいのが現状である。 本研究では、定序配列制御された光学活性なポリエステルを合成し、その規則的に制御された一次構造から発現する特異的な高次構造と機能特性の検討を目的として研究を行った。 本年度は、第一段階として、不斉炭素を含むモノマーの合成・精製を行った。保護基が導入された非対称な光学活性アルキルアルコールモノマーと芳香族カルボン酸モノマーのカップリング合成を行った。片末端がOH基で反対側末端がCOOH基となっている、定序的に配列制御されたモノマーを得ることができた。さらに、第二段階で、この光学活性非対称モノマーを縮合剤により縮重合して定序配列ポリエステルを合成した。高収率、高重合度となる縮合剤の検討を行った。得られたポリエステルの構造と物性について検討し、光学不活性な定序配列ポリエステルや配列制御されていない一般のポリエステルと比較検討した。
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