2002 Fiscal Year Annual Research Report
スーパバイザリ制御理論を用いたバーチャルファクトリの開発
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13650971
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶原 宏之 九州大学, 工学研究院, 教授 (30114862)
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Keywords | 離散事象システム / スーパバイザリ制御 / 歩行ロボット / オートマトン / ペトリネット |
Research Abstract |
第1に,離散事象システム・ツールボックス(以下,DES-TB)の開発を行った。開発環境は,MATLAB(TM)を用いた。昨年度に引き続き,オートマトンのデータ構造の定義を行った上で,最終的に次の諸関数をコーディングした。 (1)基本演算関数:可到達演算(access.m),共可到達演算(coac.m),縮約演算(trim.m),並列演算(pararell.m),積演算(product.m),可観測演算(obs.m) (2)故障診断関数:診断演算(dia.m),センサ付加演算(sen.m) (3)スーパバイザリ制御演算関数:インサイドK演算(supc.m),アウトサイドK演算(infc.m),可制御性テスト(contest.m),可観測性テスト(obstest.m),ノーマル演算(normal.m) 今年度は新たに,ペトリネットのデータ構造も定義し,次の諸関数をコーディングした。 (4)スーパバイザリ制御演算関数:セルフループ演算(loop_chk.m),スーパバイザ制御演算(svc.m),不可制御演算(adm_uc.m),不可観測演算(adm_uo.m),行操作演算(mro.m) (5)デッドロック回避演算関数:デッドロック回避演算(da.m) 第2に,オートマトン表現に基づくDES-TBの有用性を示すため,Lego社のMINDSTORMS(TM)を用いて実験を行った。多品種少量生産に柔軟に対応できる生産ロボットの例として,不規則に送り込まれる異なる色のキャンディの仕分けを行うロボットを2台製作し,狭空間に複数台配置する状況を想定し,これらを回転の軌道上で衝突する可能性があるように配置した.このシステムには不可制御事象や不可観測事象が存在するため,スーパバイザ制御理論によりシステムの可制御性や可観測性を解析し,安全なスーパバイザを構築することができた. 第3に,ペトリネット表現に基づくDES-TBの有用性を示すため,Dynasim社のDYMOLA(TM)を用いてシミュレーションを行った。工場全体製品の流れと各工程間の自動搬送システムをモデル化し搬送計画の立案を行い,スーパバイザ制御理論に基づく衝突回避の運行制御が可能であることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 鈴木直人, 高比良健, 橋本祐樹, 梶原宏之: "離散事象システム理論に基づくバーチャルファクトリに関する研究-第1報:故障診断のための解析ツールの開発"西部造船会会報. 第102号. 309-318 (2001)
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[Publications] N.Suzuki, K.Takahira, H.Kajiwara: "Development of a DES Toolbox and its application to a robot-gait planning"Proceedings of SICE Annual Conference. 984-985 (2002)