2001 Fiscal Year Annual Research Report
採炭に伴うAEを用いた岩盤内3Dき裂分布モデルの構築
Project/Area Number |
13650979
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
板倉 賢一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20168298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一彦 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (30002009)
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Keywords | AE / アコースティック・エミッション / き裂 / 採炭 / フラクタル / モーメント・テンソル解析 / 可視化 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究では、Dartbrook炭鉱(豪州)で採取した夾炭層岩石の室内基礎実験と、同炭鉱で観測しているAEデータの解析を行い、採炭に伴う岩盤内3次元フラクタルき裂分進展、分布モデルの構築、更には現場観測事象との対比からモデルの妥当性を検証することを目的にしている。本年度は、同炭鉱の天盤を構成する石炭、砂岩、シルト岩を採取し、合計17個の供試体を作製し、単軸および3軸圧縮試験を行った。載荷過程で発生したAEは、本科学研究費補助金で購入した8チャンネルのアンプ等を用いて検出、記録した。その結果、 1)どの岩種においても、封圧が増すと最大強度点に至るまでのAE発生頻度は減少する傾向が認められた。 2)最大強度点に至るまでのAE活動は、岩種により違いが見られた。すなわち、石炭では低応力レベルからAEが発生するが、砂岩では最大強度点直前で急増する傾向が見られた。シルト岩は、その中間であった。 3)AEの震源分布にも、岩種による違いが見られた。シルト岩では震源が供試体上部に集中し、砂岩では載荷軸方向に配向する傾向が見られ、石炭では供試体中央部に集中していた。 4)また、モーメント・テンソル解析により、供試体内の円盤き裂分布モデルの作成ならびにき裂タイプの同定も試みたが、使用したAEセンサに再較正の必要性が生じ、次年度早急に実施する計画である。 採炭に伴うAE波形の解析においては海外共同研究者との協議の結果、同炭鉱のロングウォールパネルNo.4の採炭において1999年8月から10月に観測された約20万波形を対象にすることになり、データの提供を受けた。そのAEデータに対して、複数3軸ホドグラム法による震源標定プログラムを作成した。次年度は、このプログラムを用いて較正発破波形の解析、小規模AEの震源標定、モーメント・テンソル解析等を実施し、採炭パネル周辺岩盤のき裂進展、分布モデルを構築する予定である。
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Research Products
(1 results)