2001 Fiscal Year Annual Research Report
マグマからの直接熱抽出における破砕帯形成プロセスに関する破壊力学的研究
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13650981
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 一夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
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Keywords | 地熱 / マグマ / マグマ発電 / 破砕帯 / き裂 / き裂成長 / 熱収縮 / 熱収縮割れ |
Research Abstract |
破砕帯に関しては、基本的には次の2つの場合が存在する。すなわち、凝固域の大きさが経時的に不変な場合、並びに、凝固域が経時的に成長する場合の2つである。前者は、マグマだまりが十分に広く、熱抽出部の周りに十分なマグマの対流が発生して凝固域の外周から-定の熱供給が期待できる場合である。本年度はこの場合について検討を行った。解析の基準状態として、次の状態を設定した。すなわち、凝固域の半径:2m、凝固域の外周温度:800℃、坑井半径0.1m、深度:7km、先在き裂長さ:2.5mmである応力場は、坑井内壁と凝固域外周の温度差(以下では内外温度差と称する)による熱応力、外周に作用する岩体の自重によるかぶり圧による圧縮応力、並びに、内壁に作用する水圧による応力場の3つの応力場を重ね合わせたものとなる。この応力場内におけるき裂群の形成プロセスの解明を破壊力学により行った。その結果、基準状態においては、内外温度差が約463℃で最初のき裂進展が起こり、以後内外温度差の上昇に伴い(すなわち、坑井壁の冷却に伴い)次々と成長するき裂数が増加して、坑井周りに破砕帯が形成される。内外温度差に対するき裂枚数の増加速度は極めて大きく、例えば、基準状態においては、最初のき裂成長がおこる内外温度差と8枚目のき裂成長のそれとの差は、わずか6℃にすぎない。このことは、き裂が成長しはじめると一挙に破砕帯が形成され、坑井内の水の温度を制御して破砕帯の成長を制御することは極めて難しいことを意味している。また、基準状態におけるき裂長さは約3cmであることがわかった。破砕帯の形成に影響を及ぼす種々の因子の影響を検討した結果、熱抽出システム設置深度が最も強い影響を及ぼすことがわかった。例えば、設置深度が4kmの場合には破砕帯を形成するき裂の長さは約6cmとなる。
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Research Products
(1 results)