2002 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素貯留層のガスリーク補修に対するポリマー架橋処理の適用
Project/Area Number |
13650984
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 昌敬 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50190369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長縄 茂実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10237539)
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Keywords | 二酸化炭素 / 帯水層 / 隔離 / ゲル / 多孔質媒体 / 地球温暖化対策 |
Research Abstract |
CO_2の地中処分においては,帯水層の上部に存在する不浸透性の地層が帽岩(キャップロック)の役割を果たしてガスが封入されることを前提にしているが,地層中の断層や割れ目を通じてガスのリークが発生することが懸念される。本研究では,CO_2ガスを封入した帯水層からのガスリークを止める対策技術として,ゲル生成剤(ポリアクリルアミド,アルミン酸ナトリウム,水酸化ナトリウムの混合水溶液)の注入によるCO_2ガスリークの補修の可能性を,室内実験および数値計算により検討した。 前年度に引き続き,多孔質媒体コアヘゲル生成剤を注入する実験によってガスリーク補修の効果を検討した結果以下の知見が得られた。(1)初期にCO_2ガスの存在するコア内へのゲル生成剤の注入により,コアの浸透率は1/16〜1/115に低下した。(2)ゲル生成によるCO_2ガスリーク遮断の効果(浸透率低下の度合い)は使用するゲル生成剤のポリマー濃度,ポリマーの分子量と加水分解率およびコアの浸透率に依存した。実験では,平均分子量約1,300万,加水分解率30%のポリアクリルアミド500ppm,アルミン酸ナトリウム250ppm,水酸化ナトリウム250ppmのゲル生成剤を使用した場合に,約10μm2の浸透率コアにおいてガスリークを遮断できることを確認した。(3)生成したゲルの長さの観察による検討により,コア内に長さ1mのゲルが生成した場合は,2.0MPaまでのガス圧力を保持できることがわかった。さらに,数値計算プログラムを作成して,ゲル生成剤とCO_2の交互圧入によるゲル生成による浸透率の低下する過程を再現した。 実際の地層へ本手法を適用するにあたっては,適用する地層条件を模擬した実験が必要であるが,実際の地層の浸透率は本実験で用いたコアの浸透率よりもかなり低いため,ポリマー架橋処理によるCO_2リーク補修の可能性は高いと判断された。
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Research Products
(1 results)