2002 Fiscal Year Annual Research Report
イネアントシアニン着色に関する制御遺伝子群の解析と分子育種
Project/Area Number |
13660008
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坂本 亘 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (20222002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 浩之 農業技術研究機構, 野菜茶業研究所・機能解析部, 室長
村田 稔 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (20166292)
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Keywords | アントシアニン / イネ(Oryza sativa) / 転写因子 / 形質転換植物 / Purple leaf |
Research Abstract |
本研究では、イネにおけるアントシアニン着色を制御する遺伝子を単離してそれらの構造を解析し、さらにこれらの着色を制御することで分子育種に応用することを目的に実験を行った。これまでに、イネのアントシアニン着色系統が有する制御遺伝子Purole leafについて、アリルの異なる3つの遺伝子座を解析し、OSB1,OSB2の2つの遺伝子を含むコンプレックスを形成することを明らかにした。アントシアニン着色に関する遺伝子A及びCを共に持つイネ系統(台中65号由来の同質系統)にOSB2を導入したトランスジェニックイネでは、葉に顕著な着色が観察されることを昨年度確認した。今年度は種子組織における着色を確認したところ、親系統で見られるふ先の着色以外にも頴花の外頴および内頴も着色し、さらに種皮、果皮、及び糊粉層で強くアントシアニンを蓄積した。これまでに糊粉層でアントシァニンを蓄積するイネの報告はなく、OSB2の導入により初めて糊粉層での着色に成功したが、胚及び胚乳では着色が見られないことから、用いたプロモーターなどに組織特異性を考慮すべきであると考え、これらは実用化へ向けた今後の課題とされた。 実際にイネにアントシアニン着色を誘導するには、OSB2などの制御遺伝子のみならず、A及びC遺伝子など他の遺伝子も導入する必要がある。本研究ではPurple leaf以外にもA遺伝子座に関する構造解析の研究をすすめた。トウモロコシとイネゲノムのシンテニーから、イネのA遺伝子座はトウモロコシのDFR遺伝子座である可能性が高く、A遺伝子座の各アリルについてDFR遺伝子の変異と遺伝解析を行った。その結果、A遺伝子はDFRをコードすることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sakamoto, W., Tamura, T., Hanba-Tomita, Y., Sodmergen, Murata M.: "The VAR1 locus of Arabidopsis encodes a chloroplastic FtsH and responsible for leaf variegation in the mutant alleles"Genes To Cells. 7. 769-780 (2002)
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[Publications] Sodmergen, Zhang, Q., Zhang, Y., Sakamoto, W., Kuroiwa T: "Reduction in amounts of mitochondrial DNA in the sperm cells as a mechanism for maternal inheritance in Hordeum vulgare"Planta. 216. 235-244 (2002)