2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660017
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 俊郎 岡山大学, 農学部, 教授 (10032301)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 邦行 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60153798)
|
Keywords | ダイズ / 花器脱落 / 適応戦略 / 収量 / 花房次位 / 開花 / 結実 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
本研究はダイズにおける花器脱落を個体の適応戦略としてとらえ、花器脱落の機作を作物学的に解明しようとする。個体の莢数が決定される過程すなわち花器の分化・発育から開花・脱落までの過程と収量性との関係を総合的に明らかにすることを目的とする。 具体的には、(1)花房の着生位置・次位からみた花芽の分化と発育、(2)花房の着生位置・次位からみた開花ならびに花器脱落の推移、(3)光合成・物質生産と開花・花器脱落の関係、について検討を加える。 本年度は特に地球の温暖化など温度条件の変化に対する花器脱落制御機構の戦略に検討を加えようとした。 日中の温度のみを上昇させるTGC(Temperature Gradient Chamber)を作製し、気温上昇がダイズの開花・結実・子実収量に及ぼす影響を品種エンレイを用いて調査するとともに、生態型・伸育型の異なるダイズ7品種を供試し,気温上昇に対する反応の品種間差を検討した. その結果、花蕾数は高温によって抑制されず、結実率、子実収量および乾物重は高温側において最も高くなることが明らかになった。 ダイズの生育・乾物生産・結実・子実肥大の適温は普通栽培における気温よりも高いことが明らかとなった。地球温暖化など高温条件はダイズの生産性を向上させることも予測されるが、高温障害が発生する場合は、開花期の高温を回避するような作期、品種を選択し、花器脱落を生じさせない必要がある。
|
Research Products
(1 results)