2001 Fiscal Year Annual Research Report
キウイフルーツ果実の着生と初期発育に対する内生植物生長調節物質の作用機構
Project/Area Number |
13660023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小原 均 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (40160931)
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Keywords | キウイフルーツ / 着果 / 果実発育 / 単為結果 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
1、キウイフルーツ'ヘイワード'果実の内生サイトカイニンおよびジベレリン(GA)の種類を推定するため、受精後間もない幼果を採取し、常法により抽出・精製を行った後、ODS-HPLCにより分離後、各HPLC画分について生物検定を行った。その結果、サイトカイニンでは標品が分離される画分番号との比較からゼアチン(Z)、ゼアチンリボシド(ZR)が主要なサイトカイニンであると推定された。なお、1つの画分群においてZおよびZRよりサイトカイニン活性が高い物質が存在したが、種類は推定できなかった。一方、GAでは活性の高い2つの画分群が存在したが、それらGAの種類は推定できなかった。 2、'ヘイワード'果実の着生および初期発育と内生植物生長調節物質〔植物ホルモン:サイトカイニン、GA、オーキシン(IAA)、アブシジン酸(ABA)〕との関係を検討するため、受精果、未受精果および合成サイトカイニンのホルクロルフェニュロン(CPPU)により単為結果した果実の開花期から生長初期における内生植物ホルモンレベルの変化を調査した。その結果、受精果ではZ様活性は着果期と開花20日後にピークを示した。ZR様活性は開花日に最も高くその後は徐々に低下した。GA様活性は開花5日後に高いピークを示した後急減し、その後は低いレベルで推移した。IAA含量は開花5日後から9日後にかけて高い値を示し、その後は緩やかに低下した。ABA含量は開花日に最も高くその後は開花17日後にかけて急減した。未受精果は開花9日後までにすべて落果したが、ABA以外の植物ホルモンは受精果より低いレベルであった。一方、CPPUにより単為結果した果実では受精果とほぼ同様なレベルで推移した。以上のことから、果実の着生にはサイトカイニン、GAおよびオーキシンが、初期発育にはサイトカイニンおよびオーキシンが関連深いものと考えられた。
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