2003 Fiscal Year Annual Research Report
省力型および環境保全型サトイモ栽培系の確立に関する研究
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13660029
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
森田 隆史 名城大学, 農学部, 講師 (10174426)
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Keywords | サトイモ / 省力化 / 収穫・調製 / 環境保全型 |
Research Abstract |
1)球茎間の分離が容易で、収穫・調製作業の省力化が可能な変異系統を見出し、在来品種と比較栽培してその栽培特性ならびに省力性について調査した。'えぐいも'の変異系統である'P51'において、著しく調製作業が省力できることが判明した。 2)'P51'ほか球茎間の分離が容易な系統と在来品種を用いて、夏季に除けつ処理を行った場合と行わなかった場合でその栽培の省力性と得られた球茎の収量と品質について調査した。除けつ処理を行った場合、総労力ははば同じ労働時間となったが、夏季(除けつ処理)と秋季(収穫時)に分散することが可能であることが明らかになった。除けつ処理により、いずれの品種でも減収となったが、球茎はサイズが大きくて丸型になり品質は向上した。'P51'では除けつによる減収が比較的少なく、除けつする栽培に適していると考えられた。 3)晩秋にサトイモと牧草を同時作付けし、耕転作業を省力するとともに、春に牧草を刈り取って牧草マルチとし、雑草を防除する栽培法について検討した。まず前段階として秋に植えつけて越冬可能な品種を検索した。'えぐいも'の変異系統および在来品種のいくつかに高い圃場越冬性を持つ品種を見出した。次に、この中から数品種を選んで秋季に牧草との同時作付けを行った。サトイモは各品種とも高い圃場越冬性を示した。牧草はいずれも占有圃場を形成し、本来の優先種であると思われる雑草の発生を強く抑制した。牧草刈り取り後はマメ科牧草では抑草効果は早期に失われた。イネ科牧草では抑草効果は持続したが牧草自体が枯れずに残存するため以下の管理にやや問題があった。 牧草との同時作付けによるサトイモの収量や品質に対する悪影響はとくに無いものと考えられた。 4)以上のことから、(1)品種を選択することにより、サトイモ栽培において大きな負担となっている収穫調製時の労力が軽減できることが判明した。(2)除けつ作業を行うことにより、栽培労力の分散と品質の向上を図れることが判明した。このときの減収は品種の選択により軽減できた。(3)牧草との秋季同時作付けにより圃場の雑草防除を図ることができた。これは牧草のアレロパシー効果を利用し、農薬使用を軽減できる環境保全的栽培であると考えらゎた。またこの作型に利用できる圃場越冬性の強いサトイモ品種を見出すことができた。
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Research Products
(1 results)