2002 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンナシにおけるわい化栽培技術の開発並びにわい化機構の解明
Project/Area Number |
13660031
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田村 文男 鳥取大学, 農学部, 教授 (50217197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 賢二 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032106)
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Keywords | ニホンナシ / わい化栽培 / 光合成産物 |
Research Abstract |
昨年度の実験結果よりエホンナシ'二十世紀'および'秋栄'の台木としてクインスEMA(以下Co)を用いた場合、強性台木であるマンシュウマメナシ台木(以下似下Pb)と比較して著しくわい化することが示された。そこで本年度はその原因を明らかにするため、光合成速度並びに光合成産物の転流を両台木を用いた出ホンナシ樹を用いて比較した。 光合成速度、Pb台木のほうがCo台木より約20%近く高く、特に果実成長期に当たる夏期の午後にその差が顕著であった。この原因を探るため、水ポテンシャルと気孔コンダクタンスを比較した結果、Co台木では水ストレス状態にあることが明らかであった。従って、Co台木のわい化効果の一因は光合成能が水不足により抑制されることがあげられると思われた。次に、堀あげ調査により根系をしたところ、Co台木ではほとんど30cmまでの深さに根が分布していたのに対し、Pb台木では約90cmまで根系が発達しており,きびしい水ストレスが起こる原因として、根系の違いがあげられるとみなされた。 一方、^<13>Cを用いて光合成産物の転流を比較したところ、Co台木では果実への分配が多かったのに対し、Pb台木では枝と根への分配がきわめて多かった。 以上の結果から、Co台木の示す高いわい化効果並びに幼木時にPb台木より高い果実品質を示す原因は、樹体への光合成産物の分配が少なく、より果実への分配が多いためと思われた。次年度は、果実品質の年時差並びに成長抑制物質の面からわい化機構を検討する予定である。
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