2003 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンナシにおけるわい化栽培技術の開発並びにわい化機構の解明
Project/Area Number |
13660031
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田村 文男 鳥取大学, 農学部, 教授 (50217197)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 賢二 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032106)
|
Keywords | ニホンナシ / わい化栽培 / 光合成産物 |
Research Abstract |
昨年度の実験結果よりニホンナシ'二十世紀'および'秋栄'の台木としてクインスEMA(以下Co)を用いた場合、強性台木であるマンシュウマメナシ台木(以下Pb)と比較して著しくわい化することが示された。さらに、その原因をは樹体への光合成産物の分配が少なく、より果実への分配が多いためと思われた。 そこで本年度は、成長抑制物質の面からわい化機構を検討し、以下のような知見を得た。 木部樹液を分析した結果,C.o台の'二十世紀'並びに'秋栄'両品種とわい性台木の木部樹液中にはいずれも30μg/ml程度のアミグダリンと2μg/ml程度の安息香酸が検出された。しかし,ウメで検出されたプルナシンは検出されなかった。一方,P.b台樹では両品種ともアミグダリン,安息香酸とも検出限界以下であった。 一方C.o台の発育枝中には300μg/gFWのアミグダリンが検出されたが、P.b台ではその1/100程度の含量であった。両品種の果実について分析を行ったが,いずれも検出は不可能であった。これらの結果は,モモやセイヨウナシのわい性台木を用いた実験と同程度の含量である. アミグダリン溶液中での葉組織の呼吸津度を調査した結果1000ppmの濃度でも影響を与えなかった.これに対して安息香酸は500ppm以上で明らかな呼吸阻害を示し、成長抑制を起こす一因と考えられた。
|