2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市緑化やガーデニングに利用されるユリ科グラウンドカバー遺伝資源の評価と活用
Project/Area Number |
13660034
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
下村 孝 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (10140188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 哲也 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10153727)
深井 誠一 香川大学, 農学部, 教授 (80228858)
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Keywords | ノシラン / スズラン科 / グランドカバー / 核内DNA量 / フローサイトメーター / 種子発芽 / 実生 / 種子貯蔵 |
Research Abstract |
1.新たに調達した品種群の類縁関係の整理 (1)PCR-RFLP分析,染色体数の分析: 2000年以降に収集し育成したユリ科(狭義スズラン科)グランドカバー品種群61系統の大半が,花,根こぶ,ストロン等の形態から,属レベルで区別できた。またフローサイトメーターによる核内DNA量の計測により基幹種を識別し,それ以外の種も区別した。さらに,基幹6種の葉緑体DNAのrbcL-ORF106部位をPCRで増幅し,13種類の制限酵素で処理してHinc IIとScrF Iで多型が検出された。その結果,花の形態や核DNAの相対値では区別不能のいくつかの植物について属または近縁種を明らかにすることができ,現在国内で流通しているユリ科グランドカバーのより正確な区別が可能となった。 (2)繁殖試験 ノシランの種子の発芽と貯蔵および実生の初期生育への施肥の効果を検討した。12月末以降採取した種子は,20〜30℃で発芽率が高く,10℃では発芽不良となり,冬期に成熟種子を野外で取り播きしても6月頃まで発芽しなかった。剥皮は発芽を速め発芽率も高めたが,無剥皮でも84%が発芽し,剥皮は実用上必要ないと思われた。4℃,高湿度条件で6か月間(剥皮種子)〜1か月間(無剥皮種子)の貯蔵が可能で高い発芽率を維持できた。4℃湿潤貯蔵の剥皮種子を適温に近い6月上旬に播種すると7月中旬から一斉に出芽し,2月に15℃以上の加温条件下で播種すると出芽が早まった。5月に移植した実生苗への施肥(窒素約50mg/1株)で12月には出荷可能な苗を育成できた。 2.生育習性 上記品種群の,出葉期,花序出現期,開花開始期,結実期など生育習性を観察し,記録した。 3.ユリ科グラウンドカバーの利用実態の整理 2000〜2003年の国内外での調査による写真を中心としたデータから,ユリ科グラウンドカバーの利用可能な環境と利用の様式などを分類整理した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 近藤哲也, 高橋孔明, 深井誠一, 石本里美, 下村孝: "ノシラン(Ophiopogon jaburan Lodd.)種子の発芽特性と貯蔵法および実生の初期生育"園芸学研究. 2・3. 271-276 (2003)