2002 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞変異を利用したナシ'おさ二十世紀'の黒斑病抵抗性個体の作出に関する研究
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13660039
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
高橋 春實 秋田県立大学短期大学部, 生物生産学科, 教授 (00122929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 弘幸 秋田県立大学短期大学部附属農場, 助手 (10320607)
松本 勤 秋田県立大学短期大学部, 生物生産学科, 教授 (70073963)
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Keywords | ニホンナシ / 組織培養 / 黒斑病 |
Research Abstract |
(1)平成13年度に引き続き、カリクロン植物作出のための培養条件の検討を行った。継代維持しているニホンナシ'おさ二十世紀'のカルスを材料に用いて、無機塩類、植物成長調節物質、培地添加剤等の種類および濃度について検討した。無機塩類は、1/3に希釈したMSおよびWPを比較し、WP培地を基本としたものが生長が旺盛となった。また、添加剤として、活性炭、カゼイン分解物、硝酸銀、プトレスシンを使用し、植物成長調節物質として、ピクロラムおよびエテホンを用いて検討したが、いずれもカルスから不定芽や不定胚の形成はみられず、再分化個体を得るまでには至っていない。これまでの培地条件では再分化能を有するカルスが得られなかったので、本年度は異なる条件で継代維持するカルスの培地を検討し、現在、1/3に希釈したMS培地を基本とし、インドール酪酸1mg/l、チジアズロン0.1mg/l、寒天7g/lおよびショ糖1g/lを添加した培地で得られたカルスを材料として用いている。 外植体として、本年度は茎頂に加えて、茎、葉および葉柄を材料に培養を行った。その結果、茎頂からは、茎葉の展開がみられたが、その他の材料からは、カルスの形成がみられたか、あるいは枯死した。このことから、現段階では、外植体としては茎頂を用いることが有効であると考えられる。 今後は、継代培養により増殖維持されているカルスを用いるとともに、茎頂を外植体に用いて、継続的に培養条件の検討を行う予定である。 (2)抵抗性株の選抜の準備として、7月に本学附属農場の'おさ二十世紀'より採取したナシ黒斑病菌を単胞子分離し、胞子形成能および毒素精製能の高い菌株をスクリーニングし、胞子を増殖させた。これらの胞子を-80℃の超低温フリーザー中で凍結保存している。
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